【事例紹介】ダイキャスト東和産業株式会社さまの太陽光発電(PPA)導入について|TOHOBIZNEX

【事例紹介】ダイキャスト東和産業株式会社さまの太陽光発電(PPA)導入について

2030年CO2排出量42%削減*に取り組む!工場の屋根を活用した太陽光発電の導入について
(ダイキャスト東和産業株式会社さま)

記事掲載日:2026/9/30

アルミダイカストによる自動車部品などの製造を手がけるダイキャスト東和産業株式会社。同社では、カーボンニュートラルの実現に向け、製造現場での省エネ活動や各工場への太陽光発電設備の導入など、さまざまな取り組みを行っています。今回、恵那工場にPPAモデルによる太陽光発電設備を導入。その背景や成果への期待、今後の取り組みについて、同社の代表取締役社長 冨士原透吾さんにお話を伺いました。(インタビューライター 生木卓)
※CO2排出量について、2030年に2021年度比で42%削減を目指す

ダイキャスト東和産業株式会社 代表取締役社長 冨士原透吾さま

ダイキャスト東和産業株式会社 代表取締役社長 冨士原透吾さま

Q.ダイキャスト東和産業株式会社の事業について教えてください。

冨士原社長:1926年創業の当社は「アルミダイカストで自動車をはじめとする産業用部品をつくっている会社」です。主力製品としては、自動車のオートマチックトランスミッション(AT)に使われる部品になります。なかでもATの変速機構に使われる「ピストン」は、トップクラスの生産量を誇る当社の代表的な製品です。当社の強みとしては、お客さまとの長期的なパートナーシップがあげられます。AT部品については約60年の歴史があり、1967年に大手自動車メーカーから日本初の3速全自動AT車が発売されたときから、部品を供給してきました。現在も多くの車種に向けた部品を製造しており、この分野では世界トップクラスのシェアを誇っています。

製品は全て100%リサイクルのアルミニウム合金で製造

製品は全て100%リサイクルのアルミニウム合金で製造

Q.御社の環境への取り組みについて教えてください。

冨士原社長:当社では以前より、主に製造の現場における省エネ活動を行っていました。2012年には恵那工場で、ISO14001も取得しています。その後、カーボンニュートラルの実現に向けた社会的な機運が高まる中、2022年には社内の各部門からメンバーを集め、カーボンニュートラルチームを発足しました。具体的には、2021年度を基準年として2030年度までにCO2排出量を42%削減、2050年までにカーボンニュートラルの実現という目標を掲げており、2023年にはSBT認定も取得しました。

ダイキャスト東和産業のカーボンニュートラルへの挑戦

冨士原社長:これまでの取り組みの中で特に大きな成果につながったのが、「アルミの溶解工程の省エネ」です。当社のCO2排出量は、電気とガスがおおむね半分ずつを占めています。そのためガスを多く使用する溶解炉について、「空焚き」の撲滅に力を入れてきました。空焚きとは、炉の中の材料が少なくなっているにもかかわらず、バーナーが燃焼している状態です。そこで、生産計画や材料投入の方法を現場と一緒に見直し、できるだけ効率よく材料が入っている状態を維持することで、エネルギーの無駄を減らしました。これらの取り組みや成果については、会社のWebサイトに「カーボンニュートラル宣言」というコンテンツを設置して、情報発信にも努めています。

≪参考≫カーボンニュートラル宣言2026
https://towa202504.my.canva.site/cn2026

工場で消費される主なエネルギーは、アルミニウムを溶かす工程(溶解炉など)で使用

工場で消費される主なエネルギーは、アルミニウムを溶かす工程(溶解炉など)で使用

Q.太陽光発電設備の設置について教えてください。

冨士原社長:省エネへの取り組みを行う一方で、再生可能エネルギーの導入も進めています。これまでにも、本社と瑞浪工場・笠原工場で太陽光発電設備を導入してきました。さらに今回恵那工場でも太陽光発電設備を導入し、稼働も開始しました。

恵那工場の屋根に設置された太陽光パネル

恵那工場の屋根に設置された太陽光パネル

冨士原社長:恵那工場については、東邦ガスさんのPPA(Power Purchase Agreement)モデルを採用しました。これは、当社が太陽光発電設備を自ら購入・設置するのではなく、東邦ガスさんに設備を設置していただき、そこで発電した電力のうち当社が使用した分について料金をお支払いする仕組みです。この契約については複数の会社から提案をいただきましたが、太陽光パネルの設置容量が最も大きいことから、電力単価が魅力的である点は大前提でした。さらに20年間という長いお付き合いになる以上、設備のメンテナンスも含めて本当に信頼できる企業を選ぶ必要がありました。設置容量や電力単価の強みはもちろんですが、最終的な決め手はそこです。だから東邦ガスさんを選びました。

Q.太陽光発電設備を設置された成果はいかがでしょう?

冨士原社長:稼働開始からちょうど1年経った瑞浪工場では、年間で約158トンのCO2削減、使用電力の約14%を太陽光発電で賄うことができています。恵那工場は瑞浪工場よりも規模が大きいため、さらに大きな削減効果を期待しています。

CO2排出量の推移

CO2排出量の削減量が目標値に届かなかった年は、購入電力のCO2排出係数が影響。そのため排出係数の低い東邦ガスの電力に切り替えたと語る。

Q.カーボンニュートラルに向けた取り組みを通して、社内での変化はありましたか?

冨士原社長:カーボンニュートラルへの取り組みを進める中で、現場の社員の意識が少しずつ変わってきたことを実感しています。特にCNチームを中心にCO2排出量を数字で追い、具体的な削減目標を共有するようになったことで、環境活動が一部の担当者だけのものではなく、「自分たちの日々の仕事にも関係するもの」として捉えられるようになってきました。特に分かりやすい変化が、製造現場での「ムダをなくす」という意識です。先ほどの溶解炉に入れるアルミの材料を、熱を逃がさないように工夫を重ね、芸術作品のように隙間なく積み上げてくれる社員もいます。こうした小さな変化ですが、社員が環境活動を「会社から言われたこと」ではなく、自分たちの仕事の改善として捉え始めた象徴だと思っています。

カーボンニュートラルチームの堀次長

現場の作業者も含め工場全体でカーボンニュートラルを意識することが大切と語るカーボンニュートラルチームの堀次長

Q. 今後の展望について教えてください。

冨士原社長:太陽光発電設備の導入については、駐車場へのカーポート型太陽光発電や工場の法面など、まだ活用できる場所についても検討していきたいと考えています。また今後はそれに加えて、製品の品質そのものをより高めることにも力を入れていきます。「品質の向上=生産性の向上=CO2の削減」という考え方です。たとえば同じ製品をより短い時間でつくることができれば、設備を動かす時間が短くなり、結果として使用するエネルギーやCO2も減ります。また不良品を減らすことも大切です。環境問題への対応は、当社だけで完結するものではありません。お客さまや取引先とも情報の共有や連携をしながら、サプライチェーン全体で環境負荷を下げていくことがとても重要だと考えています。

≪取材協力≫
ダイキャスト東和産業株式会社さま
本社:岐阜県多治見市京町1丁目25番地
https://www.dc-towa.com/

≪取材・撮影≫
恵那工場
岐阜県恵那市武並町新竹折80(恵那テクノパーク敷地内)

取材協力・撮影者の集合写真

冨士原社長(中心)、カーボンニュートラルチームの堀次長(左)、大島課長(右)

※本記事で紹介しているPPAモデル事業(太陽光発電設備の設置・保守管理等)は、東邦ガスグループの「東邦ガスエナジーエンジニアリング株式会社」が提供・運営しています。