【インタビュー】東邦ガスグループの技術者に聞く「燃料転換」のポイントとは?|TOHOBIZNEX

【インタビュー】重油やLPGから都市ガスへ。燃料転換でコスト削減とCO2低減を!東邦ガスグループの技術者に聞く「燃料転換」のポイントとは?

重油やLPGから都市ガスへ。燃料転換でコスト削減とCO2低減を!
(東邦ガスエナジーエンジニアリング株式会社)

記事掲載日:2026/7/6

カーボンニュートラル実現に向けた有力な手段の一つとして、重油やLPGから環境負荷の低い都市ガスに切り替える「燃料転換」が注目を集めています。 東邦ガスグループでは、これまでさまざまなお客さまの都市ガスへの「燃料転換」を支援してきました。 今回は燃料転換のメリットやこれまでの取り組みについて、東邦ガスエナジーエンジニアリング株式会社 産業エネルギー本部産業技術部の三島諒也さんと加藤陽生さんに詳しく伺いました。(インタビューライター 生木卓)

東邦ガスエナジーエンジニアリング

Q.「燃料転換」とはどのような取り組みになるのでしょうか?

三島さん:燃料転換とは、主に重油やLPG(液化石油ガス)などの燃料を燃やして、バーナやボイラーなどを稼働させているお客さまが、それらの「燃料を都市ガスに切り替える」ことを指します。 東邦ガスでは約半世紀前からさまざまな業種や状況下のお客さまの燃料転換を支援しています。 私たち技術部門は、お客さまが燃料を都市ガスに変えても、以前と同様の品質で生産していただける状況をご提供するために取り組んでいます。

東邦ガスエナジーエンジニアリング

東邦ガスエナジーエンジニアリング株式会社 産業エネルギー本部産業技術部 三島諒也さん

Q.燃料転換は、お客さまにとってどんなメリットがありますか?

加藤さん:大きく三つのメリットがあると考えています。
まずは「コスト面」です。都市ガスへ燃料転換することで、付帯設備のコストが削減できる場合が多いです。例えば重油からの燃料転換の場合、重油タンクや燃料ポンプが不要になったり、それらの維持管理費、燃料の配送コストなどが削減できます。
次に「安定供給」です。都市ガスは導管で供給しますので、天候や交通事情などに左右されることがありません。
最後に、「CO2排出が削減できること」です。都市ガスはその他の燃料に比べてクリーンなエネルギーです。カーボンニュートラルに積極的に取り組む企業さまを中心に、都市ガスへの燃料転換を検討されるお客さまが増えています。

東邦ガスエナジーエンジニアリング

東邦ガスエナジーエンジニアリング株式会社 産業エネルギー本部産業技術部 加藤陽生さん

Q.燃料転換には、課題はありますか?

三島さん:まず、設備改造費用が必要になります。燃料転換の際には炉やバーナなど、少なからず設備の改造が必要になります。 また、燃料転換が可能かどうかもケースバイケースです。燃料転換を最も滞りなく完了するためには、設備をすべて都市ガス仕様へ新しく更新することですが、その場合初期費用が高額になります。 そこで私たちは、「これはこのまま使える」「ここは変える必要がある」というのを設備ごとに調査し、改造費用を抑えながらトラブルなく設備を変更する方法をご提案します。

燃料を都市ガスに転換されたお客さまの事例をいくつかご紹介します。

<事例1:食品メーカーA社さまの場合>

三島さん:A社さまは、LPGから都市ガスへ転換されました。お客さまからは事前に「現在はブタンエアーを利用している」というお話を伺っていました。 ところが実際には、「ブタンエアーではなくプロパン」ということが分かりました。そこで計画していた改造部品を検討しなおしました。
 
またA社さまの工場は24時間稼働ですべてのラインを停止することはできませんでした。ラインを止める場合は、1本ずつ8時間以内に行う必要がありました。 結果的には1ラインずつの工事を、約半年間をかけて取り組みました。燃料転換後の製品の仕上がりについても、「職人の目から見ても問題ない」と言っていただくことができ、とても安心しました。

<事例2:自動車部品メーカーB社さまの場合>

三島さん:B社さまの場合、生産工程の都合上、炉の温度を、「48時間以内に1,550℃まで上げる」必要がありました。都市ガスはLPGに比べて、高温域では温度が上がりづらくなるという性質があります。 そのため事前にシミュレーションやテストを何度も繰り返し、現場でも燃料と空気のバランスを微調整し、昇温テストをクリアしました。翌年には無事に燃料転換いただくことができました。

<事例3:ゴム製品メーカーC社さまの場合>

三島さん:C社さまの場合、LPGからLNG(LNG配送)へ切り替えいただきました。工場は大規模で、製造ラインが40本、バーナは100台以上。総工期は2年以上となりました。 多様なメーカーのバーナをご利用されていたため、バーナ毎に転換の仕様や調整方法を検討し対応しました。また、多くのメンバーが参加したため、業務範囲や人員の配置を工夫しました。

※LNG配送:LNGローリー車により、お客さま構内に設置されたサテライト設備までLNGを配送します。

<事例4:製造業D社さまの場合>

加藤さん:D社さまでは、燃料転換による燃料費コストダウンのご提案から始まりました。現場では一部、廃盤のバーナを使用していたため、 事前調査(分解確認や燃焼確認)の上、各設備に応じた仕様で改造や、当社で実績があった汎用型のバーナへ更新することになりました。 また、工場内のレイアウトの関係で配管にも工夫が必要でしたが、イニシャルコストも抑えながら、無事に燃料転換を実現することができました。

Q.これらの事例を見ても、さまざまなケースに対応されているんですね。

加藤さん:燃料転換に決まった答えはなく、常に「ゼロから考える」ことになりますが、ここが技術者としての腕の見せ所です。 しっかりと調査しご提案しています。時には、都市ガスへの燃料転換をおすすめできない場合もあります。

Q.最後に読者の皆さまへ、これからの取り組みについてお願いします。

三島さん:東邦ガスでは長年にわたり、お客さまの燃料転換を支援させていただいた実績とノウハウがあります。 これまで培ってきた技術を活かしながら、今後も皆さまのお役に立てるように日々研鑽に努めてまいります。

「都市ガスへの燃料転換」に関するご依頼やご相談は 東邦ガスエナジーエンジニアリングまでお気軽にお問い合わせください。 >> お問い合わせはこちらから

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≪ライタープロフィール≫
  • 生木卓(なるき・たかし)
  • 三重県四日市市出身。名古屋と東京を拠点に「インタビューライター」として、これまでに学生から経営者まで5000名以上の取材を担当。 20 年以上の求人広告制作の経験を生かして、幅広い業界の会社パンフレットや入社案内、会報誌、Webサイト、広告物などの企画・取材・ライティング実績があります。

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