【2026年最新レポート】企業のカーボンニュートラル意識調査:目標先行から「実利」を伴う実行フェーズへ|TOHOBIZNEX

【2026年最新レポート】企業のカーボンニュートラル意識調査:目標先行から「実利」を伴う実行フェーズへ

更新日:2026/6/5

はじめに

近年、国内外で急速に加速してきたカーボンニュートラルへの取り組み 。 一時期の過熱した報道やトレンド発信と比べると、現在は「トーンダウンした」「逆風が吹いている」といった声も一部で聞かれます 。

しかし、実際のビジネス現場における企業の取り組みは本当に後退しているのでしょうか?

本レポートでは、2026年5月に実施されたTOHOBIZNEX会員への最新アンケート結果を基に、 2026年5月時点のカーボンニュートラルへの取り組みの「現在地」を客観的なデータから紐解きます 。
 

97%が重要性を認識。一方で立ちはだかる「成果」の壁

アンケート結果からは、企業の規模を問わず、カーボンニュートラルに対する意識が依然として極めて高いことが分かります。

カーボンニュートラルへの取り組みに対する企業の意識

Q 自社のカーボンニュートラルへの取り組みの重要性は高まると思うか?

  Yes:97%

Q 自社のカーボンニュートラルへの取り組みは進んでいるか?

  Yes:59%

Q 自社のカーボンニュートラルへの取り組みに具体性や実行性はあるか?

  Yes:58%

Q 自社のカーボンニュートラルへの取り組みが業績や企業価値の向上に繋がっているか?

  Yes:49%

「重要性」を認識している企業がほぼ100%に対し 、「実際の進捗」や「具体性」を感じている企業は約6割に留まっています 。 さらに、「業績や企業価値の向上(実利)に繋がっている」と実感している企業は半数未満(49%)という結果が出ています 。

このデータは、カーボンニュートラルが単なる“目標”や“社会的責任(CSR)”として掲げる段階を終え、 「いかにして企業の利益や価値向上に直結させるか」という実務的な課題に直面していることを示しています 。

企業が求める「実利を伴うカーボンニュートラル」とは?

世の中のカーボンニュートラルへの取り組みは決して後退していません 。特に製造業の生産・製造現場においては、単に網羅しただけの計画や目標先行型の投資ではなく、 実利(業績と企業価値の向上)の伴うカーボンニュートラルへの取り組みが強く求められるフェーズへと移行しています 。

実利に繋げる取り組みには、費用対効果と実効性を意識したロードマップの策定が不可欠です 。

排出削減の「コスト」と「効果」の現実

CO2排出量削減における費用対効果を最適化する手法として、 「CNカーブ」という指標が注目されています 。これは、CO2を1トン削減するためにかかる追加コストと削減効果をグラフ化したものです 。

製造業を例に具体的な内容を紹介します。大きく以下の2つのフェーズに分かれます。

施策のフェーズ 具体的な取り組み例 コストと効果の特徴
① 実質的なコスト削減に繋がる施策
  • 生産工程の見直し
  • 不要な蒸気配管の撤去
  • 高効率機器への入れ替え
早期に実施することで初期投資以上のエネルギーコスト削減に繋がり、結果として利益を生み出しながらCO2も削減できる(費用対効果が極めて高い領域) 。
② 実質的にコスト増加となる施策
  • 蓄電池の導入による再エネ利用率向上
  • CN燃料(水素など)の導入・切替
  • CCUSなど先進的な技術の導入
CO2の大幅な削減には寄与するものの、燃料転換や大規模な設備投資による追加コストが発生するため、中長期的な計画と資金調達の視点が必要となる 。

 
多くの企業がカーボンニュートラルを「コスト負担」と感じてしまう原因は、この①のステップ(現場のムダの改善)を飛び越えて、 いきなり②の大規模な再エネ導入や燃料転換を検討してしまう点にあります 。 まずは生産データやエネルギーデータの見える化を通じて現場の「非効率」を洗い出し、 「コスト削減=CO2削減」となる費用対効果の高い施策から着実に着手することが、企業のカーボンニュートラルを大きく加速させる鍵となります 。

企業がカーボンニュートラルに取り組むことで得られる5つのメリット

客観的なデータからも分かる通り、カーボンニュートラルへの取り組みは単なる規制対応ではなく、競争優位性を築くための経営戦略そのものです 。 環境省の指針等に基づくと、取り組むことで主に以下の5つのメリットが得られます 。

1.優位性の構築(競争力強化、売上・受注拡大)

環境意識の高い大手企業を中心に、サプライヤー(取引先)に対して排出量削減を求める動きが強まっています 。 脱炭素経営に対応することが取引先のみならず消費者からも選ばれることになり受注維持・拡大に直結します。

2.光熱費・燃料費の低減

原料費が年々高騰する中でも、生産プロセスの合理化や省エネ設備の導入を進めることで、エネルギー使用量そのものが減少し、直接的なコストダウンが実現します 。

3.知名度や認知度の向上

先進的なカーボンニュートラルの取り組みは、メディアへの掲載や国・自治体からの表彰機会を生み出し、企業のブランド価値を大きく高めます 。 また、他の企業からのお問合せが増えることで売上の増加も見込めます。

4.人材獲得力の強化と社員のモチベーション向上

自社の取り組みが、気候変動問題やサステナビリティ(持続可能性)への関心の高い優秀な若手人材を引きつけ、採用市場での強みになります。 さらに、社員のモチベーション向上により人材の定着にも繋がります。

5.新たな資金調達の機会創出

金融機関や投資家は温室効果ガス削減への取り組み状況を評価するようになり、融資条件(金利等)を優遇するサステナブルファイナンスの動きが活発化しています 。

まとめ:実利ある脱炭素経営へシフトするために

2026年現在のアンケートが示す事実は、「カーボンニュートラルの重要性は誰もが認めているが、具体的な利益への結びつけ方に多くの企業が悩んでいる」という現状です 。

これからの企業に必要なことは、自社のCO2排出量の現状を「正しく把握」し 、現場のデータの見える化によって「良好な状態を維持(ムダの改善)」しながら 、 費用対効果に見合った手法で「CO2を削減する」というトータルなステップです。

東邦ガスのカーボンニュートラル支援サービス『CN×P』のご紹介

東邦ガスでは、カーボンニュートラルに関するお悩みのご相談・コンサルティングからエンジニアリングまでをパッケージでご提供する『CN×P』を展開しています 。 お客さまの投資対効果(円/t-CO2)を可視化した独自の「CNカーブ」を作成し、実利に直結する中長期的な「排出削減ロードマップ」の策定をサポートいたします 。

カーボンニュートラルに「何から手をつければいいか分からない」「投資対効果が見えない」とお悩みの皆さま。まずは無料のご相談・お見積りからお気軽にお問い合わせください 。

<<調査概要>>
調査期間:2026年5月14日~5月22日
回答者数:270名
調査方法:Web調査
調査実施:TOHOBIZNEX事務局

<<参考>>
環境省「中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック」
https://www.env.go.jp/content/000114653.pdf
 
<<監修>>
東邦ガスエナジーエンジニアリング株式会社 ビジネス開発部
主席CNコンサルタント 嵯峨崎千尋
2008年に東邦ガス(株)に入社。2014年に国土交通省住宅局に出向し、建築物省エネ法の制定に従事。帰任後、中部圏を中心とした業務用需要家への都市ガス営業に取り組む。 2021年以降、業務用需要家のカーボンニュートラルを支援する「CN×P事業」の立案・立ち上げを担当。現在は同事業の牽引役を務める。数々の製造業等の需要家を支援。 CNコンサルの育成をはじめとした「現場の支援」などにも注力。「価値創造の省エネ」ノウハウも精力的に発信している。
 
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