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脱炭素は銀行の融資機会 環境省ESG調査で見えた地域金融との付き合い方

記事掲載日:2026/4/28

※本記事は「環境ビジネスオンライン」より提供を受けて掲載しています。

環境省は3月6日、2025年度「ESG地域金融に関するアンケート調査」の結果を公表した。

企業において脱炭素関連への資金投入が拡大する中、金融機関を通じた資金調達の環境も変化している。 今回の調査は、国内の銀行や信用金庫など456金融機関を対象に、ESG金融の取り組み状況や資金需要の認識を把握したもの。

結果からは、企業が脱炭素分野への資金投入を進める上で、金融機関とどのような関係を構築すべきかを示す実務的な示唆が浮かび上がった。

脱炭素投資は金融機関の「成長融資分野」

まず注目すべきは、ESG関連事業に対する資金需要への金融機関の認識だ。

調査によると、約半数の金融機関が、ESG関連の資金需要は中長期的に増加すると見込んでいる。また、足元でESG資金需要を感じている金融機関も51%に達した。

脱炭素分野への資金ニーズは「資金が出にくい分野」ではなく、むしろ金融機関が融資機会として探している分野になりつつある。

(出所:環境省)

ESG金融商品の普及進む

また、近年はESG関連融資商品の普及も進んでいる。グリーンローン、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)、トランジション・ローンに加え、 金融機関独自のESG融資商品も広がっている。グリーンローンやグリーンボンドなどのESG関連投融資を実施している金融機関は約7割に及ぶ。

この状況を踏まえると、「ESG融資を扱う金融機関を探す」段階はすでに終わりつつあるといえる。

(出所:環境省)

資金需要が強い業種は「製造・建設・物流」

金融機関がESG資金需要を感じている業種では、以下の業種が上位を占めた。

1.製造業(65.5%)

2.建設業(33.6%)

3.運輸業(29.1%)

今後、資金需要が増える業種でも同様の傾向がみられた。

1.製造業(77.3%)

2.建設業(63.3%)

3.運輸業(48.5%)

背景としては、大企業からの脱炭素要求がサプライヤー企業へ広がっていることが挙げられる。 また、省エネ設備やEV・電動化、ZEH、省エネ建築、物流効率化など、設備投資型の脱炭素が多い業種であることも理由だ。

金融機関との対話で必ず出るテーマは?

調査では、企業と金融機関の対話の中で持ち上がるESG関連の話題も分析した。上位に挙がったテーマは以下の通り。

1.補助金・支援制度(50.1%)

2.取引先からのESG要請(29.8%)

3.ESGによる収益影響(23.6%)

3.人材確保など経営基盤(20.9%)

(出所:環境省)

この結果から、金融機関は「脱炭素の理念」ではなく、経営メリットを軸にESGを議論していることがわかる。そのため、企業側も、ESGを単なる環境対応ではなく、経営課題として説明することが求められる。

中小企業では「独自ESG融資」が主流

金融商品の使われ方にも特徴がある。最近は、SLLなどの国際原則型商品と、金融機関独自のESG融資の両方が利用されている。

(出所:環境省)

ただし金融機関へのヒアリングでは、中小企業では「SLLよりも自社KPIを設定した独自商品が選ばれる」という傾向が指摘された。

これは企業にとって重要なポイントだ。

大企業向けのSLLやグリーンローンは審査要件が厳しい場合がある。一方、地域金融機関の独自ESG融資は

・KPI設定の自由度
・中小企業向け設計
・手続きの簡易さ

などの特徴がある。

金融機関、最大の課題は「人材不足」

さらに調査では、ESG金融には課題があることも明らかになった。

金融機関が挙げた課題の上位には、「営業店の理解不足(51.5%)」「人員不足(30.3%)」が挙げられた。 さらに、ESG担当部門を持つ金融機関も約4割にとどまっており、専門体制が十分とは言えない実態も浮き彫りになった。

このため、企業側が排出量データや省エネ効果、投資計画などを整理して提示する方が、融資の検討が進みやすいと考えられる。

(出所:環境省)

同調査の名称は、「ESG地域金融に関する取り組み状況について ―2025年度ESG地域金融に関するアンケート調査結果取りまとめ―」。 調査は2025年8月15日から10月31日にかけて、都市銀行・地方銀行・第二地方銀行・信用金庫・信用組合など506の金融機関を対象に行い、456機関(回答率90.1%)から回答を得た。

 

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