【スペシャル対談(前編)】南山大学さまの体育館への空調設備導入プロジェクト。歴史的建築の『意匠』と『快適性』を紡ぐGHP導入の舞台裏。|TOHOBIZNEX

【スペシャル対談(前編)】南山大学さまの体育館への空調設備導入プロジェクト。歴史的建築の『意匠』と『快適性』を紡ぐGHP導入の舞台裏。
(南山大学さま)

記事掲載日:2026/4/3

建築家アントニン・レーモンドの設計で1960年代に建てられた南山大学の体育館。 2025年となり、長年愛されてきたこの体育館に電源自立型のガス空調設備(電源自立型空調GHPハイパワープラス)が導入されました。 貴重な歴史的建築物の維持と、時代に即した空調機能の強化をいかに両立させたのか。 体育館への空調設備設置の舞台裏について、南山大学の皆さまと工事を担当した東邦ガスエナジーエンジニアリングのメンバーに語り合っていただきました。(インタビューライター 生木卓)

南山大学さま

<対談参加者>

南山大学さま

●学生部長 理工学部 ソフトウェア工学科 教授 吉田さま

●学務部 学生課 学生課長 松平さま

●財務・施設部 施設課 施設保全係長 林さま

●財務・施設部 施設課 資産管理係長 高橋さま

 

東邦ガスエナジーエンジニアリング株式会社

○エンジニアリング営業部 営業第二グループ 熊崎さん

○ユーティリティーサービス部 技術グループ 松永さん

まずは南山大学のご紹介からお願いします。

●林さま:南山学園の母体は「神言修道会」であり、1946年に南山外国語専門学校が設立され、南山大学へと発展しました。 現在は文系・理系合わせて8学部18学科を擁し、大学院も含めた総合大学として、学生の数は約1万人です。比較的女子学生の割合が多く、キャンパス内は華やかで賑やかな雰囲気があります。 教育方針としては少人数教育、そして国際性豊かな学びを特徴としています。 「異文化理解」と「対話」を重んじ、「個の力を、世界の力に。」というビジョン・キーフレーズのもと国際社会や地域社会に貢献できる人材育成を目指しています。

南山大学ならではの強みや特徴を教えてください。

●松平さま:始まりがカトリックの修道会ということもあり、外国語教育には多方面から高い評価をいただいております。 1946年の設立当初は「南山外国語専門学校」としてスタートしました。 全学部を通じて国際性を育む教育、教員と学生の距離の近さや少人数教育という点は大きな特徴だと思います。

南山大学さま

南山大学 学務部 学生課 学生課長 松平さま

●林さま:教育面での取り組みのひとつの事例として、「COIL型授業(Collaborative Online International Learning)」が挙げられます。 これは本学が全国の大学の中でも先駆けて導入した授業で、海外の大学とオンラインにてプロジェクトベースで一緒に課題に取り組む実践的な国際教育です。 コロナ禍以前から取り組んでいましたが、コロナ禍を経てさらに活用が進んでいます。

●高橋さま:2032年の学園創立100周年に向けて、さらなる地域社会への貢献について検討を進めています。 食堂の「SWEETS MAGIC Lab.」では通常メニューに加え、学生が主体となり企業さまとのコラボメニューを展開したことがあります。 持続可能な陸上養殖食材を使った学食企画として、東邦ガスさんがLNG(液化天然ガス)冷熱を活用して環境負荷を抑えながら養殖している「知多クールサーモン」を使ったメニューも提供しました。 これは学生や教職員からも好評でした。 2025年11月には愛知県の大村知事やモリゾー・キッコロに学生が考案した地産地消メニューを試食いただいたこともニュースになりました。

南山大学さま

南山大学 財務・施設部 施設課 資産管理係長 高橋さま

●吉田さま:キャンパスの中の多くの建物が、“近代日本建築の父”とも称される建築家アントニン・レーモンドの設計であることも 歴史ある大学としての大きな魅力だと思います。2024年には「日本建築学会賞(業績賞)」を受賞しており、これは1964年に作品賞を受賞して以来2度目の受賞です。 実は建築ファンの方もよくキャンパスへ見学に来られるんですよ。

南山大学さま

南山大学 学生部長 理工学部 ソフトウェア工学科 教授 吉田さま

今回、東邦ガスエナジーエンジニアリングさんはレーモンド建築である体育館への空調設備プロジェクトに関わったと伺っています。 お二人から見た南山大学のイメージやキャンパスの雰囲気はどうでしたか?

○松永さん:私はもともと建築学科出身なので、南山大学さまのレーモンド建築の素晴らしさには感動しました。 キャンパス全体の雰囲気も非常に素晴らしく、プロジェクト進行中は訪れるたびに「素敵な学校だな」と感じていました。 「この素晴らしい建物と景観をどう守るか」について考えるようになっていました。 レーモンド建築の素晴らしさを感じ責任重大だと気を引き締めて臨んだことを覚えています。

南山大学さま

東邦ガスエナジーエンジニアリング ユーティリティーサービス部 技術グループ 松永さん

○熊崎さん:南山大学さまは建物の素晴らしさもそうですが、「人」も素敵な印象がありました。 一般的に学校施設に空調を設置する際は、室外機の周囲にフェンスを立てることが多いのですが、南山大学さまの場合は、建物の外観などの観点からもご検討いただき、 「フェンスは設置しない」ということになりました。 これは南山大学さまと学生の皆さまとの間で信頼関係があるからこそのご判断だったのだと思います。

南山大学さま

東邦ガスエナジーエンジニアリング エンジニアリング営業部 営業第二グループ 熊崎さん

●林さま:ありがとうございます。松永さんには、レーモンド建築の躯体をなるべく傷つけないよう、最小限の穴あけで配管を通してもらいました。 見た目の美しさと空調の効きのバランスを何度も検討していただけたことには、とても感謝しています。

改めて、今回空調設置工事を行った「体育館」はどのような建物なのでしょうか?

●高橋さま:体育館は1967年に完成したレーモンドの設計による建物です。外観は傾斜した控え柱がダイナミックで美しく、 内部の屋根の鉄骨トラスには迫力があります。2017年度から「レーモンド・リノベーション・プロジェクト」として、キャンパス内のレーモンド建築の安全性向上と利便性の整備を進めてきました。 特徴的な外壁の「赤土色」も、レーモンドが建設当時に使ったオリジナルを再現するために、劣化の少ない体育館の内壁の色をサンプリングして塗り直しました。

南山大学さま

●林さま:体育館の使用用途としては、卒業式や入学式の会場としてはもちろん、体育の授業や課外活動、大学祭でのアーティストライブなどで利用しています。 隔年で上智大学さまとの「上南戦」(上智大学・南山大学総合対抗運動競技大会)という伝統の一戦も行われます。 2階にしっかりとした観客席が800席あり、これだけの規模の体育館は近隣の大学でも珍しいといわれています。

○松永さん:私は体育館の工事を数多く担当していますが、こちらの施設は学校の体育館とは思えないくらい立派な建物だと思います。 歴史的価値の高い建物ですので、極力配管を室内に設置しました。言葉にすると簡単ですが、さまざまな検討と工夫を重ねて取り組みました。

【スペシャル対談 後編に続く】

≪取材協力≫
  • 学校法人 南山学園さま
  • 南山大学
  • 愛知県名古屋市昭和区山里町18
  • TEL:052-832-3111
  • HP:https://www.nanzan-u.ac.jp/

≪用語の解説≫
  • 私立学校施設整備費補助金:
  • 文部科学省が実施する、私立学校の教育環境整備や耐震化などを支援する補助金制度。
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  • 電源自立型空調「GHPハイパワープラス」:
  • 停電時でもガスエンジンで発電し、空調や照明などの一部電力を賄うことができる空調システム。BCP(事業継続計画)対策として注目されるガス空調設備。
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≪ライタープロフィール≫
  • 生木卓(なるき・たかし)
  • 三重県四日市市出身。名古屋と東京を拠点に「インタビューライター」として、これまでに学生から経営者まで5000名以上の取材を担当。 20 年以上の求人広告制作の経験を生かして、幅広い業界の会社パンフレットや入社案内、会報誌、Webサイト、広告物などの企画・取材・ライティング実績があります。

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