記事掲載日:2026/3/11
毎年のように訪れる猛暑。多くの企業担当者さまを悩ませるのが「夏場の電力デマンド管理」です。 フル稼働するエアコン、上昇し続ける電力使用量。そしてふと頭をよぎる「デマンドオーバーによる電気料金の高騰」への不安……。
猛暑の中での電力ピーク対策は、今や企業の存続に関わる課題ですが、現場の「我慢」に頼る対策には限界があります。 今回は、無理な節電が招くリスクと、それを根本から解消する3つの解決策をご紹介します。
「デマンドオーバー」について考える前に、まずは、電気料金の仕組みをおさらいしましょう。
法人の電気料金(基本料金)は、過去1年間の「最大需要電力(最大デマンド値)」によって決まります。 夏場の昼間などに、たった一度でも突出した使用量を記録してしまうと、その値が向こう1年間の基本料金の基準となってしまいます。 これが、デマンドオーバーの発生が電気料金に大きく影響する理由です。
これを防ぐために行われるのが「ピークカット(電力消費の頂点を削ること)」です。エアコンの設定温度を上げたり、 照明を減らしたり、各企業ごとに様々な取り組みを実施していることでしょう。
しかし、無理な節電(エアコンの設定温度を上げるなど)は、従業員の生産性低下や熱中症リスクを招き、本末転倒になりかねません。
※最大需要電力(最大デマンド値)とは、1ヶ月(または1年間)で、 30分間の平均電力使用量が最も高かった値(kW)のこと。
現場に我慢を強いるのではなく、「エネルギーの仕組み」を変えることで、快適さとコスト削減を両立できます。
「涼しさを保ちながら、電力デマンドを劇的に下げる」。これを実現するのが、都市ガスを燃料とするガス空調(GHP:ガスヒートポンプエアコン)です。
電気を使わない空調:空調の熱源を電気からガスへ更新することで、夏場の電力消費の大部分を占める空調設備での使用分をカットできます。
「快適さ」と「低コスト」の両立:電気代のピークを気にする必要がなくなるため、従業員の快適性を維持したまま、電気の基本料金を低減できます 。
夏場の電力デマンドが最大になる時間帯は、太陽光発電の出力が最大になる時間帯と重なります。 この特性を活かし、自社の屋根などで創った電気を「自家消費」することで、単なる省エネ以上の効果が期待できます。
電力の自給自足によるピークカットの実現:年間の基本料金を左右する「夏場の日中」という最も電力を使う時間帯に、発電した電気を優先的に使用できます。 電力会社からの購入量を直接押し下げるため、デマンドオーバーのリスクを軽減します。
電気料金の二重削減(基本料金+従量料金):デマンド値抑制による「基本料金」の引き下げに加え、使用した分だけかかる「従量料金」も削減できるため、 固定分と変動分の両面からのコストダウンが期待できます。
遮熱効果による空調負荷の軽減:屋根にパネルを設置することで、直射日光による屋根温度の上昇を抑える「遮熱効果」が期待できます。 これにより、建物自体の温度上昇が緩和され、結果として空調の稼働効率そのものが向上します。
BCP(事業継続計画)対策としての活用:災害などによる停電時でも、自立運転機能付きのシステムであれば、特定のコンセント等から電力を供給できます。 緊急時の情報収集やスマートフォンの充電など、従業員の安全確保や最低限の業務維持に貢献します。
企業価値(ESG)の向上:「自社のエネルギーを再エネで賄う」姿勢は、環境配慮型企業としての強力なPRになります。 取引先からの脱炭素要求への対応や、採用活動におけるイメージアップにもつながります。
太陽光発電や夜間の安価な電力を蓄え、電力需要がピークに達する時間帯に放電することで、デマンド値をさらに戦略的にコントロールします。
ピークシフトの実現:購入電力のピークを別の時間帯へずらし、デマンドオーバーを回避します 。
再エネ利用率の向上:太陽光で余った電気を捨てずに蓄えることで、環境への貢献度を最大化します 。
BCP(事業継続計画)対策:万が一の停電時でも、特定の設備へ電力を供給し続けることができ、企業の防災力を高めます。
もはや夏場のデマンド対策は、エネルギーの仕組みを賢く組み合わせて「戦略的」に行う時代です。 仕組みを変えることで、担当者さまの心理的負担を解消しながら、快適で持続可能なオフィス・工場環境を目指しましょう。
まずは、TOHOBIZNEXへお気軽にご相談ください。
※電力の自給自足・熱の有効利用による省エネ・BCP対策などには、コージェネレーションシステムも有効です。詳しくはこちらの記事をご参考下さい。