
記事掲載日:2025/12/16
愛知・岐阜・長野エリアを中心に、ホテル向けリネンサプライ事業を展開する産業リネン株式会社。 同社はこのたび、工場の心臓部として長年稼働してきた重油ボイラを「都市ガスボイラ」へと更新しました。燃料供給リスクの回避やメンテナンス負荷の軽減。 さらには導入に際し補助金を活用した経緯など。代表取締役の大塚聖司社長と生産部課長の杉浦良仁さんにお話を伺いました。(インタビューライター 生木卓)

左から代表取締役社長大塚聖司さま、生産部課長杉浦良仁さま
大塚社長:親会社である日本リネンサプライを含め、愛知・岐阜・長野を中心としたエリアでホテル向けリネンのサプライ事業を展開しています。 具体的には、ホテルなどで使用されるシーツやタオル、浴衣、ガウンなどの繊維製品を回収して、工場で洗濯・乾燥・仕上げを行い、再び納品するサービスです。 創業以来50年以上の実績があり、常に300~400の施設とお取引があります。

杉浦課長:リネンサプライ業にとってのボイラは、回収したリネンを洗濯した後、「乾燥させて仕上げるため」に必要不可欠です。 ボイラが停止すると洗濯や乾燥ができなくなり、 工場の稼働が著しく低下してしまうなど、いわば工場の“心臓部”ともいえる設備です。これまで当社では、2.5tの重油ボイラを2基利用していました。
大塚社長:以前は染色工場だった建物を、当社が買い取ったのが1975年ごろです。以来約50年にわたり、 2基のボイラを交互にメンテナンスや更新をしながら、稼働を止めずにやってきました。 そのうちの1基について更新の時期が近いことを東邦ガスさんとお話する機会があったところ、重油ボイラから都市ガスボイラへの切り替えをご提案いただきました。
大塚社長:一番は燃料が安定して供給されることです。重油はタンクローリーでの配送が必要です。 以前、大雪で配送がストップして、半日工場の稼働が停止しました。また重油ボイラでは、どうしても煤(すす)が発生するため、定期的なメンテナンスや近隣への配慮が必要でした。 都市ガスボイラでは、この2つの懸念点の解消が期待できると判断しました。

大塚社長:大きく3つあります。1つ目は、以前は都市ガスボイラで2.5t×2基クラスの排出量を発揮するには、中圧ガスが必要だといわれていました。 しかし今回、改めて当社のボイラの利用状況と都市ガスボイラの機能を比較検討したところ、1tボイラ×4基で賄えるということがわかりました。 1tの蒸気ボイラあれば低圧ガスで稼働可能ということで、都市ガスボイラに更新することができました。
2つ目は、重油ボイラから都市ガスボイラへの更新は環境省の「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)省CO2型設備更新支援C(中小企業事業)」の対象でした。 これまでは当社には縁がないものと考えてきましたが、活用することができました。こちらの申請も東邦ガスさんの方で手伝っていただき申請することができました。
最後に、メンテナンスの問題です。重油ボイラよりも煤が出ない分、都市ガスボイラはメンテナンスの手間がかなり軽減できます。 人員の配置改善などが可能となり、作業やオペレーションの効率化などの検討を進めることができます。

更新した都市ガスボイラ(1t×4基)

更新後の蒸気の配管
杉浦課長:更新前は、出力や立ち上がり時間などについて不安がありましたが、実際には問題なく稼働ができていますね。更新工事についても、工場の定休日と合わせて1日半ボイラを止めただけで、更新できました。 東邦ガスさんがいろいろと配慮してくれたおかげで、従業員に負担を掛けることなく、ボイラを更新することができてよかったです。

