記事掲載日:2025/03/12
岐阜県に本社をおく株式会社タナックは、医療分野を中心に幅広い分野で「超柔軟ゲル素材」を活用し、多様な製品を提供しています。 そんな同社ではカーボンニュートラルに向けた取り組みの一環として、東邦ガスグループのCN×Pを導入。 そこに至る過程やその成果について、タナック代表取締役の棚橋一成さんにお話をお伺いしました。(インタビューライター 生木卓)
タナック代表取締役 棚橋一成さま
棚橋さま:一言で説明すると、「超柔軟ゲル素材、を使ったさまざまな製品」を作っています。 超柔軟ゲル素材は耐熱性や耐寒性、耐候性、電気絶縁性など、多方面で非常に優れた素材で、幅広い分野で活用することができます。 その中でも当社の場合は、事業の約50%が医療用シミュレータの分野です。国内外の医療機器メーカーや大学、病院と協力しながら、 医師や獣医がトレーニングに使う模擬の臓器、皮膚、血管、骨などを開発・生産しています。 その他、ロボット、航空宇宙、美容・ヘルスケアなどの分野でも開発・生産をしており、 昨今では新たにフェムテック(女性の健康課題等を解決するための製品やサービス)の分野へのチャレンジもしています。
テクノロジーセンターのエントランスではタナックの多彩なシリコーン製品を展示
棚橋さま:当社は工場の規模や働く人の数を見ても、決して大きな企業ではありません。 正直なお話をすると、最初はカーボンニュートラルという言葉を聞いても、どこか他人事のように感じていました。 しかし取引先の大手企業や海外の企業が、カーボンニュートラルへの方針を打ち出していくのを目の当たりにし、 また経産省より選定を得ている地域未来牽引企業としてカーボンニュートラルへの取組みを期待されている点からも、 当社でも自発的に取り組んでいくべき課題だと認識するようになりました。
棚橋さま:シリコーンという素材の性質上、生産時に大量の温室効果ガスを排出するということはありません。 そのためSBTイニシアチブで設定したスコープ1・2については、早い段階からその目標値をクリアできる目算が立ちました。 その他にも、工場の屋根に太陽光の発電パネルをつけたことで、使用電力の約30%を自然エネルギーに置換することができました。 また会社で所有する自動車を、ガソリン車からハイブリッド車への乗り換えも進めていました。そんな風に自分たちでできることから進めていく一方で、 より一層の効果を出すためには第三者の目で評価してもらう必要があると考えるようになったんですね。 そこで取引先の銀行に相談したところ、東邦ガスさんがCN×Pというサービスを提供していることを教えていただきました。
棚橋さま:東邦ガスの方には、打ち合わせを含めて10回ほど工場に来ていただきました。 そのうちの半分以上は工場の中に入って、設備の一つひとつを隅々までチェックしてもらっています。 各設備からのCO2の排出量について大まかな数字は自社でも把握していたのですが、東邦ガスさんのチェックでより詳細な数値が算出されたのは、さすがでしたね。 現状からCO2を削減する方法などについても、やはりプロの目から見るとさまざまなアイデアがあるものだと感心しました。 たとえば設備を配置する場所を変えるだけでCO2の削減につながるというのは、私たちからは出ない着眼点でした。
棚橋さま:成果物として、CNカーブといわれる今後の打ち手のアイデアとその費用対効果をグラフにしたものと、 一つひとつの打ち手について詳しく解説されたレポートを提案していただきました。結果的には、約20ほどの打ち手が出されていたのですが、資料もわかりやすく、 非常に納得感がありましたね。あとはこの中で優先順位をつけて、できることから順番に実施していきたいと考えています。 また改めてカーボンニュートラルへの取り組みが、企業のブランディングや従業員が誇りを持って働ける環境づくりにつながることも再認識できました。
棚橋さま:カーボンニュートラルへの取り組みについては、継続していくことに意味がありますので、 その過程はホームページなどでも情報発信していきたいと考えています。また、今後もいただいた対応策を実施していく予定ですので、引き続き東邦ガスさんからはアドバイスを願いたいと思います。 近いうちに新たな工場を建てる計画もありますので、その際は今回の取り組みを参考にして設計の段階からカーボンニュートラルを意識した工場づくりを進めていく予定です。