記事掲載日:2025/1/20
CO2削減・節電対策には、事業所の設備内容や設備稼働状況などに応じて、極めて多様な対策があります。CO2削減・節電対策の参考としてください。
過剰な空気量は排ガス量を増やし、排ガス熱損失が増加させるため、不完全燃焼を起こさない範囲で極力少ない空気量とすること。
効率のよいボイラを優先的に運転させ、効率のよいボイラの稼働率を上げることで燃料の消費を抑え、温室効果ガスの排出低減を図る。
エコノマイザや空気予熱器を利用し、排ガスによって給水または燃焼用空気を予熱する。 ボイラにおける排熱を回収し、省エネルギーを図る。
ボイラ燃焼排ガスの顕熱と排ガス中水蒸気潜熱の両方を回収する装置。 潜熱回収方式としてエコノマイザ強化式と直接接触熱交換方式の2方式があり、比較的低温利用のボイラに適用される。
中小規模ボイラ燃焼制御機構を、最適酸素(O2 )制御、最適押込風量制御機構に変換することにより、ボイラの省エネを図るシステム。
ボイラの給水予熱にブロー水のもつ熱量を利用することで、ブローによる損失熱量を大幅に低減し、効率向上を図ること。
ボイラの燃料を重油から天然ガス(都市ガス)に転換することで、CO2 排出量の削減を図る。
保温材等により、ボイラや派生する配管の断熱性能を向上させ、熱損失を低減する。
適切なスチームトラップを取り付けることで、ドレンを排出して、ウォーターハンマの発生や蒸気使用機器の効率低下を防ぐ。 また、排出された大量の熱を持つドレンを給水として回収し、熱交換する。
ボイラで発生した高圧蒸気を減圧して使用する場合に、蒸気減圧弁の代わりに蒸気タービンを設置して、 蒸気タービンの動力で冷凍機を駆動させることにより、冷凍機の電力消費量を削滅するもの。
蒸気配管の保温施工をしていない箇所に保温を施工することで、配管のロスを低減させる。
コンプレッサの吐出圧力が高いほど動力は大きくなる。 圧縮空気の各使用設備での最低必要圧力を調査し、吐出圧力低減を進める。
工場配管から漏れる圧縮空気は例え小さな孔であっても常時漏れるため大量となり、 圧縮空気の無駄使いやライン圧の低下を招く。空気漏れは直接、電カロスにつながるので徹底した漏洩発見(エア漏れ調査)と処置を図る。
台数制御による稼働台数調整パラメータについて、アンロード状態に移行後、すぐに OFF するように設定を変更する。
負荷に合わせてコンプレッサの稼働台数を最適に制御することで省エネを図る。
インバータコンプレッサの導入により、低負荷時の効率改善を図る。
コンプレッサの排熱を、暖房期の室内暖房用等に利用する。
不完全燃焼を起こさない範囲で極力少ない空気量で燃焼させることで、排ガス熱損失を低減する。
加熱炉や熱処理炉等の工業炉では、炉壁の断熱を十分に行い放散熱量を極力低減することが重要である。 炉壁からの放散熱量を減らすには炉壁表面温度を低く保つ必要があり、このために熱伝導率の低い材料が炉壁に用いられる。
燃焼部(バーナ)と蓄熱部(リジェネレータ)が一体構成された構造。 基本的に本バーナ 2 本を 1 ペアとして使用し、一方で燃焼している時、反対側のバーナで蓄熱する。 この燃焼・蓄熱を交互に切替えることにより、排熱の約 85 %以上を回収できる。
工業炉の燃料を、温室効果ガスの排出量の少ない燃料に転換する。
工業炉に高遮熱性の断熱材などを取付けて、投入ガスからの放熱ロスを低減する。
自家用火力発電について、ACC または USC の導入により、発電効率の向上を図る。
高圧水噴射用ポンプの負荷変動が大きく、かつON/OFF 頻度が高い場合に、 ポンプの開閉( ON/OFF )を行う増速機又は変速機に変えて流体継手を使用することで、電力消費量を削減し、省エネを図る。
操業に合せて流量を変えるため、電動機の回転速度を変化させるインバータ制御を採用することで省電力になる。
二次側電圧が同じ変圧器が複数有る場合は、軽負荷変圧器の負荷を他の変圧器に移行し、 軽負荷変圧器を停止する方が総損失を低減できる場合がある。
力率が100 %に近いほど無駄が少なく、電力が有効に使用されていることを示す。 コンデンサを設置することで力率が改善され、無効電力の削減、使用電力(皮相電力)の減少が図れる。
従来品に比べて大幅に低損失化を図った超高効率な変圧器。変圧器は一般には常に運点(通電)状態にあることが多いため、 その損失低減は重要な要素である。
進相コンデンサは一般に負荷端に設置すれば省エネ効果が高い。 この観点からモータに直接コンデンサを並列接続しモータと一体化すればモータ用のケーブルを含めた電源側の力率を改善できる。
従来の「常時インバータ給電方式」は、常に整流回路とインバータ回路が稼動しているため、電力ロスは大きい。 高効率装置である「常時商用給電方式」のUPS は、常時インバータ運転を行わず変換ロスが低減できる。
ピーク時の電力消費量削減のために、定置用のリチウムイオン蓄電池を導入する。
熱風炉排気ファンの電動機容量過剰チェックを行い、排気は発生源で捕集する。
ダンパなどによる流量制御と比べて、周波数と電圧を制御することによって、 電動機の回転を高度に制御するインバータ装置を用いることで大きな省エネ効果を得られる。
自動車駆動用モータでは、使用中に磁石の温度が200℃ 程度にまで上昇するため、高温でも使用可能な高磁力材料を利用する。
電動機の極振幅を負荷に合せて変動することにより省エネルギーを図る。 省エネルギーに PAM (極振幅変調理論 Pole Amplitude Modulation )方式を使用している電動機という意味で PAM 方式局数変換電動機という。
交流電動機であるサイリスタモータは、直流電動機の難点を解消できると同時に、 静止レオナード装置と同等かそれ以上の制御性能を実現することが出来、特に大容量機では静止レオナード装置の効率を上回る。
タイマ連動制御機能、センサ連動制御機能、調光制御機能等を組み合わせて、照明の省エネルギー化を図る。
Hf型照明器具(高周波専用ランプ、高周波インバータ安定器)や HID ランプ(高輝度放電灯)の導入によって省電力化を図る。
現行の生活用の照明として広く使用される蛍光灯照明などを置き換える高効率照明光源技術。
冷媒等の循環に用いられている配管等から、温室効果を持つ冷媒が漏洩するのを防ぐために、点検・整備を行う。
空調機の温湿度制御を変更して、過冷却除湿、再加熱の動作を出来るだけ少なくし、エネルギー消費量を削減する。
ドライフォグ式の空調加湿システムを導入し、ボイラの加湿蒸気発生量を低減させる。
冷却水入口温度を下げ、チラーの効率を上げる。
中間期や冬期における不要な除湿運転を停止する。
従来の空気除湿方式である過冷却-再生方式に対して、空気中の水分を直接吸着・除去処理するため、過冷却再生分のエネルギーが不要となる。
空調機内部に、外気とオフィス室内からの戻り空気を冷房用と暖房用に使い分け、 中間期から冬期にかけて低温の外気をオフィス冷房に利用することを目的とした新しい気流切替え機構を組込むことにより、省エネルギーと建設費低減を図るシステム。
居室の低い位置から床面に平行にゆっくり吹出すと、比重差によって高温の空気は上へ押上げられ、全体に温度差の少ない温度成層が得られる技術。 高温の空気は天井面に近い所から排出・換気される。大規模空間の空調に適している。
冷暖房中の室内では空気の入れ替えが必要だが、換気をすると冷暖房した熱が逃げてしまう。 全熱交換器は、温度、湿度を合せた空気中のエネルギーを逃がさず、室内の空気を入れ替える設備。
室内のCO2 濃度によって導入外気量を制御するもので、立ち上げ時の外気導入カット、室内の人員密度に応じた導入外気量を制御し、 導入外気への熱移動に要するエネルギーの最小化を図る。
定格運転時に成績係数COP が 6 程度以上の冷凍機 。 高効率インペラ 、高効率伝熱管 、 高効率フロート弁 、 低損失 ・ 長寿命軸受 、 低損失増速ギア等の採用により従来機種より 20 以上の効率向上が実現可能 。
既存の吸収式冷温水機を、 より効率の高い機器に更新する 。
ヒートポンプ用のコンプレッサをガスエンジンで駆動させる熱源機を導入する。
高効率空調機であって、 ターボ冷凍機及び吸収式冷温水機以外の空調機を導入する 。
冬期に冷凍機を運転せず、 冷却塔を利用して冷水を製造するシステムを導入し、省エネルギーを図る。
高効率なガスコージェネレーションシステムを導入することで、 排熱を回収利用し 、効率を向上させる 。
本制御技術と装置は、 アルミ圧延工場におけるポンプおよびヒュームブロアの負荷時と休止時における回転数を制御して省エネルギーを図る装置 。
本装置は、非鉄金属インゴットを溶解する炉で、新しい燃焼方式である燃焼加熱浸漬ヒータ(管)で直接インゴットを加熱溶解し、保持する炉。 従来の間接加熱方式の旧型炉に比べ、大幅な省エネルギーが可能となった。
本装置は、アルミ溶解、圧延などで使用される油圧機構を組み込んだ装置の省エネルギーのために開発された 小型可変(回転数を負荷に応じて変化させる)ポンプである。
銅精錬のための自溶炉溶練法で、高酸素富化(酸素濃度が高い)操業に適したバーナ(精鉱バーナ)を開発し、省エネを図った。
アルミ地金や回収アルミ材料(リターン材)を溶解するアルミ急速溶解炉に各種の省エネ装置を付加することにより省エネを図るものである 。
加温・乾燥プロセスについて、その熱をボイラーに代わって高効率のヒートポンプで供給 。
食品工業全般の乾燥に適用できる省エネ装置であり、特に400-600℃で、かつ高湿度熱風で乾燥できる効率的な装置である。
ビート及びサトウキビから抽出された原料糖に含まれている不純物を吸着除去し、清浄化するプロセス技術。 従来3段階プロセスで行われているが、2段階プロセスで高度の清浄化ができ、省エネが図られる。
本装置は、母液(清浄化したファインリカー)の濃縮(蒸気で濃縮)結晶工程に使用される結晶缶で、 母液に含まれる糖分の沈澱を防止するために撹拌機を搭載し、濃縮用蒸気エネルギー消費を削減する。
ビールの製造において、煮沸した麦汁の冷却水を温水として回収する機能を持った麦汁冷却装置と、 従来大気に排出していた蒸気を水と熱交換し温水として回収する排蒸気凝縮器からなる省エネ装置 。
食料油精製工程の最終段階の脱臭に使用する蒸気の量を制御することにより、蒸気消費量を画期的に削減することができる。
大豆等含油量の少ない原料の油分抽出工程で発生するヘキサン溶剤と粉塵を脱溶剤機で除去する際の効率を改善することにより省エネを図るもの。
ミルク、調味料、スープ等の液状原料の処理工程で使用するもので、造粒機能と噴霧乾燥機能の二つの機能を一つにまとめた複合省エネ装置。
水処理プロセスで発生した汚泥を嫌気性消化(メタン発酵)させ、メタンを主成分とする消化ガスとして回収し、発電を行う設備。
スクリュー型蒸気再圧縮式ヒートポンプ(SSHP)は、従来のMVRの持つ、圧縮比が小さい、ミスト、 サージング領域がある、エロージョンが起こりやすい等の課題を解決した省エネルギー機器で、これをビールの麦汁煮沸釜に応用して省エネを図るもの。
食品加工時の廃温・冷水から熱回収し、予熱等に利用することにより省エネを図る。
本装置は、前工程で調整された繊維束(スライバ)または粗糸を延伸(ドラフト)し、 リング・トラベラ方式で加撚(寄りを加える)して、所定の撚り番数、番手(太さ)の糸を製造し、管に巻取る装置である。
従来のカード機に比べて、大型化され生産性が高く、同じ生産量あたりの消費電力が半分程度となる省エネ型カード機。
従来の織機のようにシャトルを使わず、先端にヨコ糸を把持する小型の金具を備えたレピアを用いてヨコ糸を送ることで、 電力消費量を削滅したもの。
レーヨンまたはペンベルグを紡糸する高性能・省エネ型製糸装置。省エネ型電動機の採用により高速化かつ省エネが図られる。
延伸仮撚機用電動機の効率を改善するもので、電動機の速度制御をサイリスタ方式から トランジスター+インバータを組合せた周波数制御方式に更新することにより、所要電力を削滅するもの。
マイクロ波を利用して染料・薬剤の布への拡散・浸透を急速に図る効率的な省エネ染色装置。
チーズ(捲糸)部門の染色加工における乾燥に使用する高周波減圧乾燥機で、従来の乾燥蒸気式熱風乾燥機に比べ電力消費量を20%削減できる。
ナイロン、ポリエステル長繊維を溶融紡糸して延伸フィラメント(FDY)、または配向フィラメント(POY)を、最高6,000m/min の高速で紡糸し、 加えて延伸巻取りをも同一工程で行うとともに、巻取り数を多くして省エネと生産性を高めた装置である。
糸または布地の洗浄工程で、洗浄水の消費量を削減するために開発された洗浄装置で、 洗浄装置、洗浄脱水機構、フィルタ装置、センサ、ポンプで構成されている。
本酸素バーナーシステムは、ガラス溶融炉に空気燃焼方法を採用しているものを、 酸素ガス燃焼方式に転換する際に使用するバーナーシステムであり、火炎温度が2,400℃と高くなり燃焼効率が改善される。
多品種少量生産用の省エネ型ガラス溶融炉および成型システム。ガラス原料の溶融に電気溶融炉、 その焼戻しに燃焼加熱炉が採用されており、温度を安定的かつ一定に保つことで省エネを図る。
窯業用焼成炉のトンネルキルンにおいて、炉内に2列の台車搬送設備を有し、 それらの台車を互いに反対方向に搬送し、一方の台車の焼成完了後の冷却過程における材料顕熱を他方の台車の材料の乾燥・予熱に利用するシステム。
(環境省)
自治体CO₂削減ポテンシャル診断支援事業 診断事例集(平成25年3月) https://shift.env.go.jp/files/navi/precedent/2011casestudy.pdf を加工して作成