記事掲載日:2024/9/25
岐阜市郊外の介護老人保健施設「長良川ビラ」では、1993(平成5)年の開設以来、灯油を使って給湯や空調用の温水ボイラーを稼働させる一方で、厨房ではプロパンガスを利用してきました。 開設から約30年が経ち大規模改修が検討される中、温水ボイラー・厨房・空調設備の更新も計画されることに。こうした中で東邦ガスから「熱源となるエネルギーの都市ガスとガス設備への更新」を提案。東邦ガスの提案から工事の準備、 その後の利用状況などについて、同施設 事務長補佐の小山田さんにお話を伺いしました。(インタビューライター 生木卓)
1993(平成5)年に開設された、定員96名の介護老人保健施設になります。老健施設としての特長は、診療所が併設されていること。 地域の医療機関と密に連携を取りながら、機能訓練や看護・介護が必要な方の受け皿として、地域に密着したサービスを展開しています。 また、毎日数名ずつですが、デイサービスの受け入れも行っています。
これまでにも内装については定期的にリフォームなどを行ってきましたが、設備の更新となると規模も予算も大がかりになりますので、「十分機能しているから大丈夫」と後回しになっていました。 それが30年近く経つと、「そろそろ故障するのではないか…」と不安な気持ちも生まれます。 特にガスや電気の設備は急に壊れて使えなくなると非常に困るので、介護老人保健施設という性質上それだけは絶対に避けなければいけません。 そこで開所30周年のタイミングで、温水ボイラー・厨房・空調設備の更新を行うことになりました。
当初は、熱源となるエネルギーは変えず設備だけを新しくする計画でした。そんなときに東邦ガスの方とお話をする機会があり、 「熱源となるエネルギーを都市ガスにすることでランニングコストが削減できる」という提案を受けました。 実際にこれまでの使用量をもとにした金額をシミュレーションしてもらったところ、十分に納得にいく数字が出ました。
また、隣に建てていた職員寮もプロパンガスで設計を進めていましたが、 後から都市ガスに切り替えるよりも新築時に都市ガスにする方がコストを抑えることができるとわかり、都市ガスにすることを決断しました。
施設の隣に併設された職員寮
まずは、私が窓口となって東邦ガスの方から話を聞き理事長に説明しました。理事長への説明の際にも東邦ガスの方に協力していただきました。 工事についても利用者さまへの影響を最小限に抑える調整をしていただき、1日弱で済みました。具体的には、厨房は工事の日の朝食のみを早めに準備をしてもらい、入浴は一日だけ清拭で対応してもらいました。 一度にまとめて短期間の影響のみで工事いただけたので利用者さまへの影響や職員の負担も最低限で済んでよかったです。
都市ガスに切り替え、設備を更新した厨房の様子
屋上に設置された吸収冷温水機(ガス空調システム)
やはりランニングコストですね。灯油とプロパンの併用時と比べて、ランニングコストが削減できていると思います。 支払先が一つになったことで、経理面での管理もしやすくなりました。 また、以前の設備では毎日職員が温水ボイラーのスイッチを入れていましたが、都市ガス温水ボイラーに切り替えたことでその手間がなくなり、 新しくなり故障を心配することもなくなったので、職員の心配ごとが減ってよかったという声もあります。
都市ガスボイラ―
燃料問題がひと段落したので、もう一つのライフラインであるキュービクル(受電設備)の改修にも取り組む予定です。 実はこれについても、東邦ガスの方から岐阜県の補助金制度を紹介してもらったことで、予算を組むことができました。 都市ガスだけでなく、エネルギー全般についての相談役としても、東邦ガスの営業担当者の方にはたいへんお世話になりました。