織田信長がチャットGPTを桶狭間の戦いに利用したら?|TOHOBIZNEX

織田信長がチャットGPTを桶狭間の戦いに利用したら?

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記事掲載日:2024/7/2

最近は弁護士、税理士など士業にもチャットGPTなど生成AIがどんどん取り入れられているようですが、 同じ士業(サムライ業)である戦国の武士・織田信長が有名な「桶狭間の戦い」に備えて生成AIを使ったら、果たしてどう使っていたでしょうか?  織田信長からチャットGPTへの質問を通じて、生成AIのビジネス活用法を探ってみます。(歴史ライター・水野誠志朗/nameken)

信長は先端技術を取り入れるのが好き

天下統一の一歩手前まで行った信長の強みは、既成概念にとらわれない人材や技術を積極的に取り入れたことです。 『信長公記』という信長の伝記によれば、信長の若い頃は鉄砲が普及する時期で、この新技術をいち早く積極的に使っています。そんな信長なら、 チャットGPTをはじめとする現代の新技術・生成AIも積極的に使ったのではないでしょうか。 現代ビジネスの戦場においても、チャットGPTという武器は既に大いに活用されているようです。ここからは「信長なら生成AIをどう使ったか?」という切り口で、 チャットGPTのビジネス活用法を紹介していきます。

チャットGPTの活用法①  リサーチ

チャットGPTはプロンプト(AIへ動作を促す命令文)として細かな環境条件を入力することで、ビジネスに不可欠な情報収集や市場リサーチができます。 その際は質問の仕方が重要です。わかりやすい言葉で、簡潔かつ明確に、具体的に質問することを心がけましょう。

今回は信長がチャットGPTを使っていたという設定で「桶狭間の戦い」の環境条件を入力し、AIならどういう戦法をアドバイスするのかを見てみました。

チャットGPTに「桶狭間」での戦法を質問

信長は、以下のプロンプトでチャットGPTに質問してみました。

●チャットGPTへ質問

あなたは歴戦の勝者で2000の精鋭部隊を持っていますが、総戦力45000ともいわれる今川軍が攻めてきます。敵の主将は戦闘経験があまりありません。 桶狭間という国境の山間部でこれを殲滅したいと思いますが、その戦法、用意するべき軍備をまとめてください。

●チャットGPTの回答

了解しました。以下は、今川軍に対する戦略と用意すべき軍備の一般的なアドバイスです。 ただし、具体的な状況により柔軟に対応する必要があります。

① 情報収集:敵の配置や兵力の正確な把握が重要です。偵察部隊を派遣して敵の動向を常に監視しましょう。

② 地勢の利用:桶狭間の山間部は防御に適した場所です。地形や地勢を利用して、敵の進軍を阻む有利なポジションを確保しましょう。

③ 伏兵の配置:地形を利用して伏兵を配置し、敵が接近した際に奇襲を仕掛けることで、敵の混乱を引き起こすことができます。

④ 総力戦の回避:今川軍の総戦力が多い場合、直接の総力戦を回避し、小部隊で敵を引きつけつつ、奇襲や遊撃戦術を駆使して戦うことが効果的かもしれません。

⑤ 心理戦術:敵将の経験が乏しいとの情報を利用して、心理戦術を仕掛けることで、相手の指揮系統を混乱させることができます。

⑥ 物資の確保:戦略拠点周辺に物資を確保しておくことで、部隊の持久力を維持し、長期戦に備えましょう。

⑦ 連携と指揮統制:部隊間の連携を強化し、指揮系統を確立することで、迅速な指示や援護が可能となります。

⑧ 軍備の選定:地形に合わせた軍備の選定が重要です。弓兵や騎馬隊が山地での戦闘に適している場合があります。

⑨ 後方支援:戦場での作戦に専念できるよう、後方には補給線や医療施設を確保し、部隊の安定した運用を確保しましょう。

最終的な戦略や軍備は、具体的な状況や情報に基づいて柔軟に調整する必要があります。また、軍事顧問や専門家のアドバイスを仰ぐことも検討してください。

織田軍と今川軍、桶狭間の状況から判断したさまざまな戦法アイデアを出してくれました。チャットGPTは「奇襲」を提案していますが、 これはネット上にある過去の桶狭間の戦いの研究成果をすでに学習しているからでしょう(ちなみに私が唱える新説ではまた違った行動予想を立てています)。

このようにチャットGPTを使えば市場リサーチをもとにした一般的なアドバイスを求めることができます。 例えば事業計画書に説得力をプラスする材料として、チャットGPTの意見を活用するのもありだと思います。

チャットGPTの活用法②  壁打ち・ブレスト

チャットGPTは具体的な課題を設定し、悩みやアイデアを共有してフィードバックを得る「壁打ち」にも使えます。 ソフトバンクグループ会長の孫正義さんがチャットGPTを壁打ち用途で活用しているのは有名な話です。

先ほどのチャットGPTの答えでは、桶狭間の戦いにおける戦法のアドバイスとして「奇襲戦法」があげられていましたが、 今度は逆に「正面攻撃で勝つ方法があるか」をチャットGPTに質問してみました。

チャットGPTに「桶狭間」での「正面攻撃」の可能性を質問

信長は、以下のプロンプトでチャットGPTに質問してみました。

●チャットGPTへ質問

同じ「桶狭間の戦い」の条件において「正面攻撃」で義元を倒せるか教えてください。

●チャットGPTの回答

もちろん、正面攻撃を主体とした戦術も有効なアプローチです。以下は正面攻撃を強化するための戦術的なアドバイスです。

① 陣形と配置:部隊を効果的な陣形に配置し、地形を利用して守りやすい位置に布陣します。 堅固な陣形を築くことで、敵の進撃を遅滞させ、正面からの攻撃を受けやすくします。

② 砦や防御工作物の活用:戦場に砦や防御工作物があれば、これを活用して守りを固めることができます。 これにより、敵の進撃を遅らせつつ、部隊の安定性を確保できます。

③ 狭い経路の利用:敵の進撃経路が狭い場合、これを利用して敵の進行を遅滞させ、戦況を有利に進めることができます。

④ 予測と対応:敵の進軍経路や戦術を予測し、事前に対応策を練ることが重要です。敵の動きを予測することで、正確な反撃を行えます。

⑤ 後方支援:戦場での作戦に専念できるよう、後方には補給線や医療施設を確保し、部隊の安定した運用を確保しましょう。

⑥ 指揮統制:部隊間の連携を強化し、指揮統制を確立することで、戦局を有利に進めることができます。

⑦ 精鋭部隊の活用:2000の精鋭部隊を効果的に使用し、敵の主力部隊に対して集中的な攻撃を仕掛けることで、敵の中心を崩すことができます。

正面攻撃を成功させるためには、計画的な戦術、地形の利用、部隊の配置などが重要です。また、状況が変化する可能性も考慮して、柔軟に対応できるようにしましょう。

先ほど「奇襲」をすすめたチャットGPTが、今度は全く逆の可能性を探り、正面攻撃を否定せずに答えを出しました。 ビジネスシーンでの壁打ちやブレストには「話を否定しない」という鉄則がありますので、チャットGPTは壁打ちパートナーとしても頼れるようです。

チャットGPTの活用法③  文章の作成

そしてチャットGPTは「ビジネスメールの文面作成」にも役立ちます。戦国時代でも「書状」のやりとりが歴史を大きく変えてきましたので、 相手の心に響く文面を考えるスキルの重要性は、今も昔も変わらないのかもしれません。 今回は「桶狭間の戦いの前に信長が 敵対する松平元康(のちの徳川家康)に書状を送る」という設定で、その文面をチャットGPTに考えてもらいました。

チャットGPTに「桶狭間」での戦いの前に送る書状の文面を質問

信長は、以下のプロンプトでチャットGPTに質問してみました。

●チャットGPTへ質問

あなたは織田信長です。桶狭間の戦いの前に敵対する松平元康に「書状」を送ったとして、その最適な文面を考えてください。

●チャットGPTの回答

松平元康殿へ、

我、織田信長にて候。この書状をお届けするにあたり、敵対する身ではありますが、一片の礼を失することなく、敬意を持って書かせていただきます。

桶狭間の戦いに際し、我が軍と貴殿の軍勢が対峙することとなることを承知しております。 しかしながら、戦いが始まる前にこの書状を送ることで、お互いの間に一時の休戦を求めることができればと願っております。

戦は国家と国家、将と将の間で行われるものでありますが、戦いの前に相手を尊重し、 誠実に交渉を行うことは、我が国の伝統に則ったものと信じております。この書状を通じて、和平交渉の場を設け、血を流す前に平和的な解決を模索することができれば幸いでございます。

長く続く戦いは国にも人々にも大きな苦しみをもたらします。そのため、私たちは武力に頼る前に、 対話と妥協を試みるべきであると考えます。敵対する立場にあるとはいえ、人々の平和と繁栄のために、一時の休戦を検討していただけることを切に願っております。

敵対する身ではありますが、この書状を誠心誠意、拝啓、良しとして頂ければ幸いに存じます。

敬具、

織田信長

「対話と妥協」「人々の平和と繁栄」などの文言が並んでおり、当時の状況としてはちょっと想像し辛い内容ですが、 現代の書状のベースとしてなら使えるものではないでしょうか。

このように書状(ビジネスメール)の文面も、チャットGPTを活用すれば短時間で生成できます。 文面のベースとしてはこれでも充分と思われますが、ここに自分ならではの言葉を添えていけばより良い内容になるでしょう。

生成AIは「現場の人間の時間をつくる」ツール

以上のように、多くの判断が求められるビジネスシーンにおいてチャットGPTは非常に有用なツールといえます。 ただ、今のところチャットGPTは過去の情報を学習しているため、これまでにないアイデアや新しい戦法を回答することは難しいようです。

チャットGPTはあくまでツールのひとつに過ぎません。信長、つまり現場の人間の「勝負感」「判断力」「運」が最終的な勝利をよぶわけで、 結局、最後は人間がどう使うかだと思います。企業経営において生成AIはすでに、高度な事務的サポートツールとなってきていますが、 それは人でしかできないオリジナルな発想、行動をする時間を生み出してくれるもののはず。未来を切り開くのはその時間を有効に使った「人」ではないでしょうか。

≪ライタープロフィール≫
  • 水野誠志朗(みずの・せいしろう)
  • 名古屋のWeb制作・編集プロダクション会社経営を経て、現在は歴史ライターとして尾張時代の織田信長関連記事を中日新聞プラスで連載中。 「桶狭間の戦い」の新説を広めようと講演なども行っている。 名古屋エリアのライターやカメラマンで作る一般社団法人「なごやメディア研究会(nameken)」のプロ(メディア)会員。

≪注≫
今回のチャットGPTはバージョン3.5で、回答は2024年2月頃のものとなっています。
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