記事掲載日:2024/6/21
日本を代表するガラスメーカーの一社であるセントラル硝子プロダクツ株式会社(本社:三重県松阪市)。 同社では親会社であるセントラル硝子株式会社(本社:東京都千代田区)をはじめとしたグループ全体で、2050年のカーボンニュートラルに向けた目標を掲げています。 その中でもガラスの生成には多くの熱を利用するため、セントラル硝子プロダクツの取り組みにはグループ全体が注目しています。 そこで東邦ガスのCN×Pを活用して、今後のロードマップを描くことに。そのプロジェクトの中心となった、 川瀬専務取締役と技術部の栗山さん、中濱さん、久保さんにお話を伺いました。(インタビューライター 生木卓)
川瀬専務:もともとセントラル硝子のガラス事業部門としてガラス製品の 製造・加工・販売を担っていた中、2022年にガラス事業全体が分社化されました。そのため法人としては設立3年目ですが、 ガラス事業としては66年の歴史があります。製品としては、主に建築・住宅用と自動車用のガラスを扱っており、 ランドマークになるような有名な建築物や大手自動車メーカーの各車種にも、当社のガラスが使われています。
川瀬専務:カーボンニュートラルへの取り組みは、新会社としても大きなテーマです。ガラスの製造や加工には大量の熱を使いますので、 各部門からアイデアを出してもらいながら、常に生産体制の見直しなどは進めていました。
栗山さま:私たちがエネルギーについて、最初に意識をしだしたのは2009年ごろだったと思います。 当時はまだカーボンニュートラルという考えはなく、単純に“省エネ活動”といっていました。 ただその時は蛍光灯をLEDに変更するなど、簡単なところしか手が付けられていなかったですね。
川瀬専務:カーボンニュートラルに向けた計画を立てていく中で、 自社でもさまざまな調査や各部署からのアイデアを募っていました。しかし、私どももエネルギーの専門化ではないため、 自分たちでは把握しきれない部分が出てきます。また、それぞれの取り組みを実行した際に、 それがどれくらいの効果があるのかの予想を立てる必要もあり、東邦ガスのCN×Pを利用してみることにしました。
川瀬専務:東邦ガスの専門員の方に工場まで来ていただき、 ガラスの製造やガラスの加工部門などそれぞれの担当者が工場の中を案内したり、設備についての説明を行いました。 当然、それに向けて社内でも各担当者とミーティングを行い、東邦ガスの方とも事前に打ち合わせをしました。もともと各部門でもCO2削減に向けての構想はあったので、 比較的スムーズに進んだと思います。東邦ガスの方には、4~5回は工場まで来てもらいました。
川瀬専務:CNカーブでは、50項目ほどの取り組みと、それぞれにかかるコスト、その結果削減できるCO2が確認できます。 ある程度予想はしていたのですが、やはりコストをかけずに効果が出せる部分は少ないですね。それでもやっていかなければいけないことではあるので、 あとは優先順位を決めていくことが大切だと考えています。その一方で自社だけでなく、親会社の役員会でもCNカーブについての説明を求められるなど、 上層部に現場の現状とこれからの取り組みを説明するのには、とてもいいツールだと感じました。
中濱さま:私たち技術部ができるのは、これらの計画を立てるところまでで、実際に計画を実行していくのは、 設備や製造を行っている部署になります。今後の取り組みなどが、CNカーブという形で可視化されるのはわかりやすいですね。 現在の課題やこれからの取り組みを全員と共有できる、いいきっかけになりました。これからの展開が楽しみです。
久保さま:私は技術部の中でも主に板ガラスの製造を担当していて、そこでどれくらいのエネルギーを使っているのかは、 ある程度把握しているつもりでした。CNカーブを見ると、自分たちがここを改善すると、 次の加工工程のここにつながる…など、自分たちの部門だけでなく、全体を俯瞰して考えられるようになったのはよかったです。
栗山さま:2009年ごろ、自分たちでも似たような作業をしたのですが、あまり明確化できなかったという後悔がありました。 今回改めて可視化されたものをみんなで共有できたのは、よかったです。ただ私たちとしてはこれからが本番だと考えていて、 レシピが出てきたところで、それをこれからどう料理していくかみんなで考えていきたいですね。
川瀬専務:CNカーブを作成したお陰で、2030年の40%削減という目標の達成は何となく見えてきたところがあります。 そのおかげで、次の目標である2035年の60%削減に向けて、先行して考えることができそうです。 また当社の場合、カーボンニュートラルの実現はセントラル硝子プロダクツ単体だけでなくグループとしての課題でもあるので、 親会社も含めたグループの中でそれらに向けた取り組みをリードしていければと期待しています。
工場の生産設備や、製品の課題を見える化。製品ごとのCO2排出量削減にむけた取り組みを支援します。
カーボンニュートラル達成に向けた取り組みをトータルでサポートします。