飲食店のプロモーション戦略3選。成功事例を交えてご紹介します。|TOHOBIZNEX

飲食店のプロモーション戦略3選。成功事例を交えてご紹介します。

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記事掲載日:2024/5/10

プロモーション戦略は飲食店にとって重要な要素のひとつです。 飲食店の効果的なプロモーション手法3選について、成功例を交えてご紹介します。(経営コンサルタント 小山内正典)

飲食店のプロモーション戦略

① ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の活用

InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのソーシャルメディアを活用して、お店の魅力やお得な情報を発信することで認知度を上げるという手法です。 基本的に無料でスタートできる手法ですが、魅力的な写真や動画を投稿したり、 注目される企画やイベントを効果的なタイミングで開催したりする必要があるなど、難易度は比較的高く、店舗ごとの差が大きい手法です。

導入してもなかなかフォロワー数や閲覧数が伸びず、投稿や情報発信を継続することを挫折してしまっている店も多く見られますが、 SNSで店探しをしたり、店の情報を確認したりする方はとても多いので根気強く続けることが重要です。

ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の活用

② グルメポータルサイトへの掲載

飲食店の情報が集まるグルメポータルサイトへの広告掲載は飲食店のプロモーションとしてはメジャーな手法です。 以前は掲載料のみのサイトがほとんどでしたが、最近では実際に来店された場合に課金される来店課金モデルも多く見られます。

グルメサイトの代表として真っ先に挙げられるのは「食べログ」です。飲食店のクチコミが集まるサイトで、 無料でも掲載可能なポータルサイトですが、有料掲載をすると掲載順やページの充実度が上がり、お客さまの目に留まりやすくなります。 その他にも「ぐるなび」や「HOT PEPPER」、「一休レストラン」など有名なグルメサイトはいくつかあり、他にもそれぞれの地域に特化したグルメサイトも多く存在します。

それぞれのグルメサイトごとに特徴や強み、ターゲットがあります。店にも場所や客単価、予約比率、ターゲット層など、いろいろな特徴があります。 グルメサイトと自店の特徴を分析し、掲載するべきなのかどうか、掲載するのであればどういう情報をどのように掲載するのかをしっかりと検討して活用すると効果的です。

また、グルメサイトから予約をすることで、お客さまにポイントが貯まる仕組みになっているサイトがあります。 食べログなら「Tポイント」で、ぐるなびは「楽天ポイント」、HOT PEPPERは「リクルートポイント」が貯まります。 「ポイ活」というワードをよく耳にする昨今、その視点で掲載するグルメサイトを選ぶのもいいでしょう。

③ お客さまへの還元

メディアへの掲載料などの広告費を使うのではなく、お客さまへ還元することで集客を強化するという手法です。 昔から行われており、アナログ感も強い手法ですが、 お客さまと近い距離でサービスを提供する飲食店ビジネスにおいては、いつの時代でも有効な手法だと思います。

この手法で成功している業態のひとつが、アークランドサービスホールディングスが運営する「かつや」です。 500円以上の会計で100円割引券が渡され、割引券を使えば毎回100円引きのループが可能となる仕組みです。派手な仕組みではありませんが、 クーポンの利用率は50%超えているとのことで、お客さまのリピートを促すサービスとしてはかなりの結果を出している手法と言えるでしょう。

お客さまへの還元という意味では、東邦ガスが提供するサブスクサービス「フラノミスタ」もお客さまへの還元手法といえます。 お客さまにとっては、フラノミスタに加盟する店で660円(税込)以下のドリンクが毎日1杯無料になるサービスです。 飲食店にとっては、来店時にドリンクをサービスし、そのドリンクの原価を負担するだけです。もちろんそのドリンク以外にオーダーされた商品については店の売上となります。 店にとっては掲載料もかからず、来店課金もないので、導入しやすいサービスだと思います。

フラノミスタ

その他のプロモーション手法

お客さまにしっかりした店だという安心感を与える「自社ホームページの充実」や、ネット集客の中で重要視されている「Googleマイビジネスの活用」、 来店いただいたお客さまを囲い込むための「LINEの活用」、認知度を上げるための「オンライン広告への出稿」など、デジタル手法は次々と新しいものがリリースされてきます。 また、フォロワーを多く持つインフルエンサーに店を紹介してもらう「インフルエンサーマーケティング」も最近よく活用されている手法のひとつで、俗にいう「映える」店には効果の出やすい手法です。

一方で、「ポイントカードやクーポンの発行」、「チラシやポスティング」、「フリーペーパーへの掲載」などのアナログ手法で成功するケースも多く見られるのが飲食店です。

まとめ

SNSやインターネットを通じて情報を発信することのハードルは以前と比べて高くないと思います。一方で、何を発信するのかが重要になってきています。 たくさんの人の目に留まってもそれがお客さまの心に響かなければ来店いただくことはできません。

お客さまが何を求めているのか。季節を感じる特別メニューなのか、新しい気付きを得られるイベントなのか、そこでしか食べることのできない食材なのか。 それぞれの店の特徴や個性を知ってもらうためにどんなプロモーション手法がいいのかを考え続けることが、必要といえるでしょう。

≪ライタープロフィール≫
  • 小山内正典(おさない・まさのり)
  • 愛知県名古屋市出身の経営コンサルタント。飲食店のセールスプロモーション企業からコンサルティング会社を経て、 これまでに名古屋や東京を中心に数十店舗のコンサルティングを手がけている。 コンサルだけでなく実店舗を経営してきた経験から、 個人店からチェーン店まで幅広い業態やジャンルの飲食店をサポートする。

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