記事掲載日:2024/3/1
都市ガスを燃料として発電させ、その時に生じる蒸気や温水などもエネルギーとして活用する 「ガスコージェネレーションシステム」約20年前よりガスコージェネレーションシステムを導入して活用してきた名古屋工場。 2023年に停電対応型ガスコージェネレーションシステムを更新されたということで、その背景や想いなどについて、同工場工務課の北村係長に、 お話をお伺いしてきました。(インタビューライター 生木卓)
北村さま:名古屋工場の工務課では、名古屋工場をはじめ、管轄エリアにある営業所や配送所などを含めたすべての施設の電気やガス設備についての管理・メンテナンスなどを行っています。 山崎製パンでは、以前より積極的に省エネに取り組んでおり、照明のLED化や人感センサーの導入はもちろん、更新のタイミングに関わらずモーターを高効率のものに交換したり、 インバーターを取り付けてみたり、工場の屋根のファンを交換したりなど、あらゆる設備において「できるところからやっていこう」というスタンスです。 パンの工場は24時間365日稼働していますので、多少イニシャルコストが掛かったとしても、 ランニングコストも含めて「長い目で見るとそっちの方がいいよね」というものに対しては、故障や更新のタイミングでなくても、早めに対応するようにしています。
北村さま:名古屋工場では、全工場の中でも比較的早い時期の20年ほど前から、停電対応型ガスコージェネレーションシステムを導入しています。 一般的には15年ごとが更新の時期といわれるガスコージェネレーションシステムですが、それまで大きなトラブルが起こったことはありませんでした。 しかし更新を検討するタイミングで電気系のエラー信号が発生するようになったこともあり、早急な対応が必要となりました。 ガスコージェネレーションシステムが更新工事を行っている間は一時的に電気の使用量が増えますので、 それをいかに抑えるかも大きな課題でした。結果的には約1年の工事期間を経て、ガスコージェネレーションシステムの更新は無事に終わりました。
北村さま:最初は新しいガスコージェネレーションシステムを設置する場所の検討から始まりました。 さらに設置する機械の出力についても、以前は1600Kw×2台だったので、4000kw×1台や1000kw×3台など、さまざまな選択肢がありました。 最終的には工事期間やスペース、予算などを考慮して、以前と同じ場所に1200kw×2台になりました。 東邦ガスさんには以前よりパンの生産にガスが欠かせないことからお世話になっており、今回は設備の選定から補助金申請の検討など、さまざまな面でサポートしていただきました。
北村さま:山崎製パンでは創業時からの精神として、「災害時に被災地にパンを届ける」という活動をしています。 そのためにはいかに生産環境を維持するかが大切で、たとえば災害で電気が止まったとしても、停電対応型ガスコージェネレーションシステムがあってガスが通っていれば、 最低限の生産は続けることができます。また、工場で働いている人たちに緊急避難をしてもらう必要が生じた場合でも、避難経路の照明を確保することが可能です。 避難場所にはガスコージェネレーションシステムとは別で非常用の発電機を設置し、空調を使えるようにしてあります。 停電対応型ガスコージェネレーションシステムの導入や更新には大きなコストが掛かりますが、災害はどこの地域にも起こりうる可能性のあることです。 まずは自社で働く人の安全を守り、その上で被災地も支援をしていく。そのためにも停電対応型ガスコージェネレーションシステムは必要不可欠な設備だと考えています。
北村さま:当社の設備部門は設備の導入だけでなく、既製品で足りないところやより安全性が必要な部分については、 自分たちで手すりを追加するなどのハードの製作や制御ソフトの開発なども行っています。 今後も、より安全で省エネにも寄与できる工場や事業所づくりを目指して、自分たちでも手を動かしていきます。
工場の生産設備や、製品の課題を見える化。製品ごとのCO2排出量削減にむけた取り組みを支援します。
東邦ガスの水素燃焼おためしサービスが水素を使った新しい技術開発を進める企業さまを支援いたします。