「適格簡易請求書(簡易インボイス)」やその特例について解説します!|TOHOBIZNEX

飲食店の皆さま必見!
「適格簡易請求書(簡易インボイス)」やその特例について解説します!

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記事掲載日:2024/1/19

2023年10月から始まった「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」前回のコラムでは基本的な仕組みについてご説明しましたが、 今回は飲食店が知っておきたい知識や特例などをわかりやすくまとめました(経営コンサルタント 小山内正典)。

飲食店は「適格簡易請求書(簡易インボイス)」の対象事業者です

「適格簡易請求書」は通常の「適格請求書(インボイス)」と比べて簡略化した記載が認められており「簡易インボイス」とも呼ばれています。

インボイスを発行できるのは「適格請求書発行事業者のみ」で、その適格請求書発行事業者になるには「課税事業者になって、 適格請求書発行事業者として登録すること」が必須となります。

この適格簡易請求書(簡易インボイス)が認められているのは下記の7事業者です。

  1. 小売業
  2. 飲食店業
  3. 写真業
  4. 旅行業
  5. タクシー業
  6. 駐車場業(不特定かつ多数の者に対するものに限ります)
  7. その他これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業

飲食店は対象事業者であるため、適格簡易請求書(簡易インボイス)の発行を認められています。

飲食店の他、スーパーやコンビニなどの小売業、タクシーやコインパーキングなど不特定多数の方が利用する業種の場合、適格簡易請求書(簡易インボイス)の発行が認められています。 レジ等から印刷されるレシートが簡易インボイスの代表的なものとされていますが、手書きの領収書であっても適格簡易請求書(簡易インボイス)として問題なく取り扱うことが可能です。

飲食店にとって「適格請求書(インボイス)」と「適格簡易請求書(簡易インボイス)」の一番大きな違いは、適格簡易請求書(簡易インボイス)には 「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」が不要ということです。つまり、受け取る人の名前や会社名などを記載しなくてもいいということです。

インボイス

インボイスはまだ始まったばかりのため、この適格簡易請求書(簡易インボイス)のことをまだ知らない方も多いと思います。 今までは宛名を空欄で発行することがあった飲食店でも領収書の宛名は必須と勘違いしているケースや逆に受け取る側のお客さまが宛名の記載のない飲食店のレシートや領収書に対し、 後日再発行を依頼するケース等も起こっているようです。 適格簡易請求書(簡易インボイス)は、「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称は不要」ですが、適格請求書(インボイス)では宛名の記入は店側(発行する側)が記入しないといけないというルールです。

また、適格簡易請求書(簡易インボイス)において、複数税率が適用されない場合は「税率ごとに区分した消費税額等」または「適用税率」のいずれか一方の記載で問題ありません。 店内飲食のみのご利用で、テイクアウト等の軽減税率が含まれない会計の場合は、レシートや領収書に消費税額が記載されていなくても、適用税率が「10%」という記載があれば大丈夫ということです。 もちろん消費税額の記載でも問題ありませんが、飲食店においては適用税率の記載の方が対応しやすいのではないかと思います。

仕入れ税額控除の特例と2割特例

適格請求書(インボイス)制度の導入にあたり、いくつかの特例や経過措置が定められています。 小規模飲食店にとって知っておくべき特例が「仕入れ税額控除の特例」と「インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置(2割特例)」です。

「仕入れ税額控除の特例」とは

インボイスに登録していない免税事業者から発行された11,000円(消費税込)の請求書があるとします。受け取った側は通常、その消費税額1,000円は控除することができません。

ですが、「仕入れ税額控除の特例」により、そのうちの80%(800円)は控除することができるようになっています。 ただし、これはあくまでも経過措置として定められたもので、3年間は80%の控除が認められ、4年目からの3年間は50%、7年目からは全く認められなくなるというのが「仕入れ税額控除の特例」です。

「2割特例」とは

インボイス制度導入を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった場合に使うことのできる特例が「2割特例」です。

これは仕入税額控除の金額をインボイス制度導入から3年間(2026年9月30日まで)は消費税の計算にあたって売上にかかる消費税額から8割の控除が認められ、2割を納税すればいいという特例です。

消費税の計算については、通常「一般課税」と「簡易課税」という計算方式があります。 「一般課税」は売上に係る消費税額から仕入れに係る消費税額を差し引いて納付税額を計算するため、仕入れや経費の額について実額で計算が必要になるため、かなり事務処理の負担が大きくなります。 また、「簡易課税」については業種に応じたみなし仕入率が設定されているため、実額計算は不要で事務処理の負担は小さくなりますが事前の届出が必要です。 なお、飲食業のみなし仕入率は60%で4割の税負担となります。

≪ライタープロフィール≫
  • 小山内正典(おさない・まさのり)。愛知県名古屋市出身の経営コンサルタント。飲食店のセールスプロモーション企業からコンサルティング会社を経て、 これまでに名古屋や東京を中心に数十店舗のコンサルティングを手がけている。コンサルだけでなく実店舗を経営してきた経験から、 個人店からチェーン店まで幅広い業態やジャンルの飲食店をサポートする。

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