記事掲載日:2023/11/24
写真:左から西河さま 櫻井さま
コロナ禍で、これまで以上に省エネやコスト削減に取り組むようなった企業は多いと聞きます。その一方で省エネは意識しても、 カーボンニュートラルまでは考えたことがなかった、という企業もあることでしょう。創業90年の実績を誇る桜井興産株式会社さまが、 カーボンニュートラルを意識するようになったのもつい2,3年前からだとか。その背景や東邦ガスのCN×Pから得たものなどを、 取締役の西河さんと荒子工場工場長の櫻井さん、製造部兼技術管理部課長の菊池さんにお伺いしました。(インタビューライター 生木卓)
西河さま:名古屋市南区の本社工場と港区の荒子工場で、金属熱処理を請け負っています。 金属熱処理の中でも素材の状態で扱うことを得意としており、2~10tクラスの大きな材料の熱処理が得意です。 設備としては2つの工場にそれぞれ10基の炉があり、経費のほとんどが燃料費と人件費だといっても過言ではありません。
櫻井さま:以前より本社工場では重油を、荒子工場では灯油を燃料としていたこともあり、 環境基本法に基づく名古屋市の環境基本条例(1996年~)はもちろん、大気汚染防止法や省エネ法などにも従いながら、排気ガスなどの排出量を測定し、届け出を行ってきました。 近年では両工場ともに燃料を都市ガスに切り替えたため、現在はNOx(窒素酸化物)のみの排出となっています。
菊池さま:さらに2006年にISO14001を取得することになり、社内に環境対策を行うチームが発足。より環境保護や省エネについても留意するようになりました。 といっても当時は、「扉をしっかり閉める」「炉の断熱を強化して、放熱を減らす」「設備を更新する際には、省エネタイプのものを選ぶ」など、思いつくアイデアを順番に実施していくくらいでした。
菊池さま:ちょうど世の中の動きに合わせて当社でもカーボンニュートラルを考えないといけないねと話し始めた頃、 コロナ禍で売上が落ちたこともあり、経営陣から「設備に投資をしていいので、ランニングコストを抑えるように」という指示がでました。
櫻井さま:これまで省エネもコストの削減も漠然とやってきたところがあったので、 具体的に「どんな対策をすれば、どれくらいの効果があるのか」「どんな打ち手が考えられるのか」、そのロードマップが必要だと考えました。 しかし、とてもとても自分たちだけではそこまで手が回らないのでどうしようと。
菊池さま:もともと環境についての取り組みも櫻井や私のように製造部のメンバーが兼任で行っていたため、 これ以上の人員はまわせないというということでアウトソーシングを検討していたところ、 東邦ガスさんがCN×Pというサービスを提供しているという話を聞き、ぜひお願いしてみようとなりました。
写真:熱処理炉の運用状況確認の様子
西河さま:世の中がこれからますますカーボンニュートラルに向けて動き出すのは分かっていたので、 稟議もスムーズに通すことができました。実は2022年に親会社(大同特殊鋼株式会社)の方で、カーボンニュートラルに向けたグループ会社の連絡会が立ち上がったのですが、 その時点で当社ではすでにCN×Pのサービスを受けており、グループの中でも早い対応ができていたのではないかと自負しています。
菊池さま:今回、CN×Pのサービスを受けたのは、荒子工場です。 流れとしては東邦ガスさんからコンサルタントの方が工場に来て、燃料の使用状況や炉の稼働状況などの実際の現場を確認してもらいました。 こちらからはガス・電気の使用量や熱処理した製品の量などのデータを提供しました。 コンサルタントの方は熱処理炉についての基本的な知識があったため、理解もスムーズでしたね。
写真:都市ガスメーター
櫻井さま:その後、集めたデータをもとに当社のカーボンニュートラル実現に向けた打ち手の一覧となる“CNカーブ”を作成してもらいました。 CNカーブ作成のために設備メーカーへのヒアリングも実施してくれるなど、フットワーク軽くいろいろと動いてもらえたのがよかったです。
菊池さま:これまで打ち手としては何となく想像していたものでも、コストやCO2の削減量など、 具体的な数字は算出していなかったので、コストやCO2の削減量などが明確になったのはよかったです。 正直、自分たちだけでは、CNカーブは作れないだろうなと感じました。
櫻井さま:そうですね。CNカーブで打ち出してもらった打ち手の中から、さらに当社で優先順位をつけて、 できることからすでに動いています。具体的には、太陽光発電パネルの設置についてはPPAモデルを利用して、初期投資ゼロで導入しました。 CO2フリー電力の購入については、まずは30%からスタートして、どれだけの成果がでるのかこれから検証していくところです。 その他、炉の熱を逃さないようにする対策も見積もりを取り寄せています。
写真:荒子工場屋根に設置した太陽光発電パネル(PPAモデル)
菊池さま:東邦ガスさんの方にも、当社のCNカーブでも大きな要素を占めている「都市ガスの水素燃焼化」について、 インフラ整備や価格問題の早期解決を期待しています。
写真:左から菊池さま 西河さま 櫻井さま
西河さま:CNカーブで一通りの打ち手を挙げてもらえたお陰で、まずはその優先順位を参考にすればいいので、とても助かっています。 当社としては、CNカーブをもとに2030年までのCO2の削減方針を制定。その後、できるところから予算をつけて、まさに順番に実施している最中です。
菊池さま:CNカーブによるロードマップがなければ、何から手をつけていいのかわからなかったと思います。 また改めて「データの見える化の必要性」も感じました。せっかく電気とガスの使用量がわかっていても、それが十分に活かされていなかったんですね。 東邦ガスさんに手伝ってもらいながら見える化を実現することで、より会社全体がカーボンニュートラルや省エネへの意識が高まってくれることと期待しています。

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