記事掲載日:2023/04/21
2020年10月、政府から「2050年までにCO2の排出をゼロにする、カーボンニュートラル(CN)を目指す」という宣言が出されました。 これを受けて東邦ガスでは、それまでの省エネ推進に加えて、取引先の活動を支援する「CN×P」というサービスの提供を開始。 エネルギーのプロフェッショナル(Professional)として、コンサルティングからエンジニアリングまでをワンストップで支援するプログラムです。 今回は、2022年にそのプログラムを受けられた三和油化工業株式会社の福島紀充さん(環境生技部 部長)と山田直矢さん(環境生技部 生産技術課 次長)に、 CN×Pを受けられた感想と成果について、お話を聞きました。(インタビューライター 生木卓)
写真:三和油化工業株式会社 石根工場
山田さま:弊社では、「環境ニーズを創造する」をテーマに事業展開しており、 社会から必要とされる環境リーディングカンパニーとなれるよう日々の事業活動を行っております。
具体的には製造業のお客様から使用済みの産業廃棄物(廃溶剤,廃リン酸,金属など)を自社設備で再生するマテリアルリサイクルや燃料化するサーマルリサイクルの他に、 自社で通常純度の有機溶剤から半導体や電池グレードまで高純度化した溶剤の販売まで、お客様のニーズに応えるため幅広い事業を行っております。
写真:本社展示スペース
山田さま:もともと製造業として設立した会社ですが、1979年に本社を刈谷に移転して、 その後リサイクル事業に取り組むようになった頃から、事業が環境に与える影響については大きな課題の一つとして取り組んできました。 1990年代から産業廃棄物の中間処理事業を拡大させていき、2021年12月には東証スタンダード市場(上場時はJASDAC市場)、 名証メイン市場(上場時は第二部)に上場しました。
その時、当グループの事業内容及び上場での資金調達使途がSDGsに準拠していると日本総研様によるセカンドパーティーオピニオンを取得し、 日本国内で3例目となるSDGsIPOを果たしました。
写真:ESG/SDGs評価融資実行証
福島さま:以前は各拠点や各部署それぞれでの取り組みでしたが、 2021年より省エネとCO2の削減を目的とした、ワーキングチームをつくって活動をしています。 具体的には、「生産効率アップ」「エネルギーロス低減」「輸送効率アップ」「新規省エネ機器導入」「事務所の省エネ推進」「CO2可視化」の6つのグループをつくり、 各部署から事業所や立場を横断して、それぞれに関わりの深いメンバーが選出されて参加。 それぞれのチームのリーダーは役員が務めています。
写真:三和油化工業の取り組みを説明する山田さま
山田さま:1年間ワーキングチームで活動をして、さまざまなデータが可視化され、 「このデータを使って、これからどんなことをしていこうか」という検討に入ったときに、 都市ガスボイラーの使用などでお世話になっていた東邦ガスさんからCN×Pの提案をもらいました。
福島さま:まずは東邦ガスさんの技術者に弊社に来てもらい、 事業の流れや生産工程を理解してもらうところから始まりました。3カ月間で10回程度は訪問してもらったと思います。 その都度、必要な書類や工場の図面、必要なデータなどを用意して、データ収集や当日の説明では関係各所にも協力してもらいました。
福島さま:私たちが想像していた以上に、設備についてやエネルギーの消費量、 CO2の排出量などの詳細なデータが必要だったことです。弊社の場合は、ちょうどワーキングチームで活動をしていたので、 ある程度のデータはすぐに出すことができましたが、 それでも「なるほど。そういうデータがあるといいのか」という要素もいくつかありました。
山田さま:現地調査とデータをもとに、詳細な分析資料とCN実現までのロードマップを作成してもらいました。 特にCNカーブと言われているグラフは秀逸で、カーボンニュートラルに向けてクリアするべき課題が並べられており、 それぞれを実現することで、どれくらいのCO2が削減されるのか、それぞれの費用対効果、 といったものが色分けされてわかりやすくなっていました。弊社の場合は、約20項目の提案がありました。
図:CNカーブのイメージ図
山田さま:CNカーブを見ながら、すぐにできることは早急に取り掛かる一方で、 大きなコストが掛かるものや技術的な課題があるものについては、 どうやって実現していくのか各部署や経営陣とも相談を進めている最中です。
山田さま:それまでワーキングチームで出てきたデータの活用について手探りだった部分もあるので、 その使い道を教えてもらえたのはよかったです。さらには、これからの具体的な取り組みを提案してもらえたことで、自分たちの課題が見えてきました。 ロードマップやCNカーブなどの内容は、弊社が毎年発行するサスティナビリティレポートにも生かしていく予定です。
福島さま:例えば、古い設備を新しいものに替えたり、エネルギーを他のものに転換することで、CO2が削減されるだけでなく、 長い目で見ればコスト的にもプラスになるものがあるのは新しい発見でした。 また、社内的にも、会社が本気でカーボンニュートラルの実現に向けて活動をしているというアピールにもなり、従業員の意識づけにも役立ったと感じています。
写真:生産設備や用役設備のエネルギー使用量の見える化
山田さま:ここ数年、お取引先さまとのやり取りの中でも、カーボンニュートラルという言葉が出ることが多くなりました。 営業の現場では、お客さまから製品の金額のお見積りに加えて、「それをつくるときに排出されるCO2の量は?」と聞かれることも増えており、 CO2の見える化は急務です。弊社ではワーキングチームの活動とCN×Pのサービスの両方の取り組みのおかげで、投資判断にコスト・効率のみならず、 CO2低減効果を金額化し優先順位を付けて取り組めるようになりました。カーボンニュートラルは、特定の企業、特定の業界だけの問題ではありません。 ぜひ皆さんと力を合わせて、その実現に向けて取り組んでいければと思います。

カーボンニュートラル達成に向けた取り組みをトータルでサポートします。
東邦ガスの水素燃焼おためしサービスが水素を使った新しい技術開発を進める企業さまを支援いたします。