世界の先行事例に学ぶカーボンニュートラルの取り組み方|TOHOBIZNEX

コラム|世界の先行事例に学ぶカーボンニュートラルの取り組み方|TOHOBIZNEX
世界の先行事例に学ぶカーボンニュートラルの取り組み方 世界の先行事例に学ぶカーボンニュートラルの取り組み方
世界の先行事例に学ぶカーボンニュートラルの取り組み方のイメージ

2021年4月現在、125カ国・1地域が2050年のカーボンニュートラルを目標に掲げて取り組んでいます。そのなかでアメリカ発のアウトドアメーカーが環境に配慮した事業運営に注目を集めてきたほか、欧州の経済をリードするフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国の5カ国が過去30年間にわたって気候変動の抑制策を推進し目覚ましい成果を挙げてきた背景があり、カーボンニュートラルにおいても欧米諸国の積極的な取り組みに世界の視線は注がれています。

特に欧州では、デンマーク・コペンハーゲンが世界初のカーボンニュートラルな首都を目指してさまざまな分野で意欲的な取り組みをおこなっているほか、2022年5月にはEUの一部である欧州委員会がヨーロッパの100都市の2030年のカーボンニュートラル化を宣言するなど、ますます活発化しています。

本記事ではそんな欧米諸国における企業のカーボンニュートラルに向けた取り組みをご紹介します。

2020年にカーボンニュートラルを達成(オランダ・電機メーカー) 2020年にカーボンニュートラルを達成(オランダ・電機メーカー)

オランダに本社を持つある電機メーカー。19世紀に創業され、約100カ国に約8万人の従業員を抱えるグローバル企業です。
同社では2015年からオランダや米国の工場やオフィスで使用する電力を100%、風力発電などの再生可能エネルギーに切り替えはじめ、2020年には自社グループでのカーボンニュートラルを達成。
2021年10月には、サプライチェーン全体における新たな目標を発表。2025年までに同社のサプライヤーの半数以上が排出量削減目標に取り組むことを目指しています。同社によるとサプライチェーンの新たな取り組みによって、自社のCO₂削減量の7倍の効果が期待できるとのことです。

英国NPOから3年連続AAA獲得(フランス食品メーカー) 英国NPOから3年連続AAA獲得(フランス食品メーカー)

フランスに本社を置く、従業員約10万名を擁する食品メーカー。同社では、2030年までに温室効果ガスの排出を2015年比で30%減を目標に掲げ、再生可能エネルギーの導入や環境再生型農業の促進、途上国でのカーボンオフセットを通じて実現を目指しています。

再生可能エネルギーについては、2030年までに導入率を100%にまで引き上げることを目標としており、2019年時点での導入率は42.4%。以降も着々と伸ばしつづけています。

また、同社の温室効果ガス排出量の約6割を占める農業・畜産分野では、米大学と連携し多額の投資をしながら、土壌を再生させ炭素吸収する研究プロジェクトを実施。2025年までにフランスにおいてそれらの成果によって得られた原料に100%切り替えるとしています。

その他、温室効果ガスの残渣(ざんさ)については、森林の再生や植林を行うことでカーボンオフセットを活用。

同社では上記のような取り組みにより、2017年にはフランス工場のカーボンニュートラルを実現。それらの活動が認められ、2019年に英国NPOから「気候変動対策」「水セキュリティ対策」「森林保全」への調査において最高評価であるA認定(トリプルA)を受けて以降、2021年まで3年連続で同評価を受けています。

利用可能なすべての手段を(アメリカ・アウトドアメーカー) 利用可能なすべての手段を(アメリカ・アウトドアメーカー)

アメリカに本社を置く世界的なアウトドアメーカー。同社では気候変動の危機から未来を守るためには「カーボンニュートラルだけでは不十分」「自らのビジネスを変えるだけでは不十分」とし、多角的な取り組みを進めています。

例えば、同社の二酸化炭素排出量の90%以上を占める製造ラインでは、2025年までにオーガニックコットンやリサイクル・ポリエステルなど環境のためにより望ましい素材のみを使用することを掲げ、すでに製造ラインの87%にこれらの素材を採用。その割合は年々増え続けています。

また、同社ではサプライチェーン全体の排出量の削減にも寄与。エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの導入などの資金をパートナー会社へ融資しています。

「リソースポジティブ」実現を宣言(アメリカ・コーヒーチェーン) 「リソースポジティブ」実現を宣言(アメリカ・コーヒーチェーン)

1970年代にアメリカし、今や世界的なコーヒーチェーンへと成長した同社。2020年にCO₂、水、廃棄物のフットプリントを半減させる環境目標を決定し、「リソースポジティブ」を実現することを宣言しました。

「リソースポジティブ」とは、すべての事業活動において地球から得る量よりも還元する量を増やしていくという意味です。

具体的には、2030年までに気候変動に耐性のある品種の採用や森林の保全と復元などを通じてカーボンニュートラルな生豆を実現し、その加工プロセスで使用する水の量を50%削減するとしています。

世界30カ国・40万人以上の生産者からコーヒーを購入している同社。コーヒーの持続可能な未来に及ぼす影響は大きいと言えます。

軽量ボトル用、エネルギー効率化、再利用(欧州・中小メーカー) 軽量ボトル用、エネルギー効率化、再利用(欧州・中小メーカー)

カーボンニュートラルに取り組むのは、グローバル企業だけではありません。欧州各国における中小企業の取り組みについてもご紹介します。

点
  

軽量ワインボトルを採用し120トンのCO₂排出を削減

イタリアでワイン製造を行うある企業では、軽量ワインボトルに切り替え。2018年比で33%増の172万ボトルにし、約120トンのCO₂排出量の削減に寄与しました。

点
  

年間40トンのCO₂排出量を削減

ドイツで金属板やプラスチックを生産するメーカーでは、プラスチック用の新たな機械を導入し、エネルギーの効率化を実現。結果、年間で約40トンのCO₂削減を実現しました。

点
  

3年で約50%CO₂排出量を削減

スペインで水道メーターの開発や製造を行うメーカーでは、電子測定器の部品の再利用率を15%引き上げ、また95%の商品をエコデザイン仕様にして環境負荷を低減。2019年までの3年間で2018年までの3年比で約52%のCO₂排出を削減しました。

まずは実現可能なものから まずは実現可能なものから

グローバル企業から中小企業まで世界のカーボンニュートラル事例をご紹介してきました。自社で取り入れられそうな取り組みはあったでしょうか。まずは最も実現可能なことから着実に取り組むことが重要です。

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