記事掲載日:2022/8/26
「2050年までにカーボンニュートラルの実現を」という世界の動きが加速するなか、 日本が達成するには政府や自治体だけでなく、企業が推進していくことも不可欠です。 連載第2回目は、企業がカーボンニュートラルに取り組むことのメリットについてご紹介します。(ライター南由美子/nameken)
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気候変動対策としてカーボンニュートラルを目指す動きは、日本の経済界でもすでに始まっています。 2020年には日本経済団体連合会が「2050年カーボンニュートラル実現に向けて─経済界の決意とアクション─」の中で、 経済社会全体の根底からの変革を不可欠とし、経済界は「不退転の決意」で取り組むと表明しています。
グローバル企業を中心に取り組みが急速に拡大し、温室効果ガス排出量の削減をサプライチェーン全体に求め、 取引先や投資家など、さまざまなステークホルダーから要請されるケースも出てきています。
2022年6月、民間会社が製造業の現場責任者ら303人から有効回答を得てまとめた「カーボンニュートラルの実態調査」では、 取引先からカーボンニュートラルの取り組みを求められているかという質問に、20.1%が「非常にそう思う」、34.7%が「ややそう思う」と回答し、 半数以上の企業が該当する結果になりました。
温室効果ガスの排出削減を目指す企業経営のメリットとして、環境省では次の5点を挙げています。
「カーボンニュートラルの実態調査」の結果のように、取引先からカーボンニュートラルへの取り組みを求められた場合、 それに応えることは売り上げの維持・拡大や受注機会の獲得につながり、他社との差別化、自社製品の競争力の強化が期待できます。
エネルギーを多く消費する従来のプロセスや設備を見直すことによる省エネや、再生可能エネルギーなどの活用で、 光熱費や燃料費の低減が見込まれます。
温室効果ガス排出量の大幅な削減の達成などにより、先進的企業として国や自治体から表彰されたり、 メディアなどで取り上げられたりする可能性があるためです。
企業が世界共通の問題に取り組む姿勢を示すことで、社員の共感を呼び、信頼を得られるほか、 問題解決に意欲的な人材を集める効果も期待されます。
金融機関は融資の評価基準の一つとして、カーボンニュートラルへの取り組み状況を挙げるケースも増えており、低金利の融資や、 再生可能エネルギー導入などに対象を限定した融資メニューの活用が認められる可能性が高まります。
また、投資家や金融機関の間で一般的になっている「ESG投資」でも、資金調達を有利にすることが見込めます。 ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を重視した投資の方法で、 カーボンニュートラルに取り組むことは長期的に成長が見込めるとして信頼性の向上につながります。
ほかに、国はさまざまな補助金を設けて設備投資を促し、相談窓口も設けて支援体制を整えており、こうした支援の活用も可能です。
こうした動きが広がっていく一方で、新しい仕組みを導入するとコスト負担が増えるのではないか、 あるいは従来通りの製品製造が難しくなるのではないかという懸念もあるでしょう。
しかし、さまざまな支援策が用意され、社会全体の意識も変わりつつある今、 カーボンニュートラルに取り組むメリットは、長期的にデメリットを上回ることでしょう。
カーボンニュートラルへの取り組みは、もはや制約ではありません。 新たな技術や製品を生み出し、生産性を向上させ、成長を促すカギとして捉えることが大切です。 カーボンニュートラルに向けて、できることから一歩ずつ、『まずは』計画を立ててみませんか。
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環境省 中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック ―温室効果ガス削減目標を達成するために―
https://www.env.go.jp/earth/SMEs_handbook.pdf
一般社団法人 日本経済団体連合会 経団連カーボンニュートラル行動計画 ―2050年カーボンニュートラルに向けたビジョンと2021年度フォローアップ結果(2020年度実績)―
https://www.keidanren.or.jp/policy/2021/102_gaiyo.pdf
ウイングアーク1st株式会社 製造業の「カーボンニュートラルの実態調査」を実施
https://www.wingarc.com/public/202207/news1611.html
経済産業省 経済産業省のカーボンニュートラルに向けた中小企業支援施策
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220517002/20220517002-3.pdf
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